傾きがあります

20 の用例 (0.00 秒)
  • 娘は日に日に青年をただ一人の男として恋ひつのる傾きがありました。 坂口安吾『淫者山へ乗りこむ』より引用
  • 機械は世界のものを共通にしてしまう傾きがあります。 柳宗悦『手仕事の日本』より引用
  • それで畑の上から飛んで来て森の上へかかると、飛行機は自然と下のほうへ押しおろされる傾きがあります。 寺田寅彦『茶わんの湯』より引用
  • かえって悪の実際的危険を助長する傾きがあります。 コンラッド/井内雄四郎訳『密偵』より引用
  • かえって私たちは余りにも見慣れているため、その価値を顧みない傾きがあります。 柳宗悦『手仕事の日本』より引用
  • ところが日野は単に打算のせいだけでなく、かなり本心から法本の理論に傾倒している傾きがありました。 坂口安吾『裏切り』より引用
  • 併し彼の血気な心は好んで醜の露出を強ひる傾きがありました。 坂口安吾『淫者山へ乗りこむ』より引用
  • 大体からいうと信仰的な土俗品は、年と共に衰える傾きがありますが、致し方もないことであります。 柳宗悦『手仕事の日本』より引用
  • 其の細かい研究と云ふものは、研究者本人に取つては隨分相當に面白いことがあると思ひましても、一般の人が聽きますと、何か研究者自身が一人だけ分つたことを言つて居るやうになりまして、餘り興味が多くないと云ふやうなことになる傾きがあります。 内藤湖南『弘法大師の文芸』より引用
  • 我邦でも、やゝその傾きがありますから注意を要します。 長岡半太郎『湯川博士の受賞を祝す』より引用
  • 今までのは正面から文字の意味どおりに、むしろ拘泥し過ぎて取扱っていますが、この句は必ずしも文字の意味に拘泥せずに、やや無頓着むとんじゃくに取扱っている傾きがあります。 高浜虚子『俳句の作りよう』より引用
  • 大体を申上げると、この離中断の卦に当る方は男女に限らず親兄弟にはなれ友達も至って少く一人で世を渡る傾きがあります。 永井荷風『つゆのあとさき』より引用
  • 山中の漆器は余りにも安ものを心掛けた傾きがあります。 柳宗悦『手仕事の日本』より引用
  • 現在の私は、小さい枠に、どっさりのものを含ませたり盛ったりしようとして、未完成なものを書く傾きがありますが、それらの作品はどれもそれぞれにその世界をもってまとまっていて、つやがあって、小市民の善良さ、かしこさのつやをもっている。 宮本百合子『獄中への手紙』より引用
  • 紫根染は絞染しぼりぞめに限られる傾きがありますが、糸染をして見事な織物を今も作るのは独り下閉伊しもへい岩泉いわいずみであります。 柳宗悦『手仕事の日本』より引用
  • その重要な発展のモメントを、文学的に、浅薄器用にあつかって、お茶を濁している傾きがあります。 宮本百合子『一九四六年の文壇』より引用
  • も一歩進めていって見れば、京伝や三馬や一九や春水は、常に馬琴が端役として冷遇した人物、即ちわずかに刷毛はけついでに書きなぐったような人物を叮嚀に取扱って、御客様にも本尊様にもして、そして一篇なり一部なりを成して居る傾きがあります。 幸田露伴『馬琴の小説とその当時の実社会』より引用
  • 「輿論」というと相当の重みをもって通るのに、「公衆の意見」というと、何だか、その程度をうたがわれるような傾きがあります。 宮本百合子『公のことと私のこと』より引用
  • 十年前には、畏れながら、お上もおん齢未だお若く、そのおん振舞いにも、時にのりを超える傾きがありました。 南條範夫『山岡鉄舟(三)』より引用
  • 従つて、後者は「味」よりも「力」を、「香」よりも「刺激」を、「光り」よりも「色」を、「弾力」よりも「硬さ」を、「密度」よりも「重さ」を尊重する傾きがあります。 岸田国士『演劇漫話』より引用