傾きがあつ

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  • 社寺の奴隷はある点では、一つものと誤解せられる傾きがあつた。 折口信夫『国文学の発生(第二稿)』より引用
  • 父は非常な母親孝行で、そのため祖母の前では妻の利害を無視する傾きがあつたけれど、行動が乱に走ることは決してなかつた。 神西清『少年』より引用
  • といふことは、作者も俳優も演出家も、これまでは、感性の糸を引くのが舞台の技術のすべてであるやうに思ひこみ、観衆の頭脳にうつたへる魅力は、作品の「思想的」内容のみだとしてゐる傾きがあつた。 岸田国士『未解決の問題』より引用
  • 又書籍を寫す官を置いて本を集めたので、色々の本が多數に集まつたが、成帝の時までに、それらの本が又散亡する傾きがあつたので、更に集めることになり、陳農に命じて天下に書を求めしめた。 内藤湖南『支那目録学』より引用
  • のみならず其當時の勢力あるものに幾らか阿附する傾きがあつて、眞に自分の意見を眞直ぐに言つたのではないと思はれる節もあります。 内藤湖南『応仁の乱に就て』より引用
  • 莊子とか荀子とかいふものが出來ました時に、已にさういふ傾きがあつて、莊子とか荀子とかいふ本を集める時に、外の學派を批評して、さうして自分の方がえらいのであると云つて著述して居ります。 内藤湖南『支那の書目に就いて』より引用
  • シとス、チとツなどの教師の発音の訛りを指摘したのや、授業中一学年の生徒を閑却した傾きがあつたといふ説が出たぐらゐで、座は何となく白けた。 石川啄木『道』より引用
  • 序に装置のことを一言すれば、元来「新劇」の舞台は、「新劇的装置」を必要とする筈なのに、これまでは、専門装置家の好意に甘へて、職業舞台の「贅沢な装置」をそのまま採用してゐる傾きがあつた。 岸田国士『内村直也君の『秋水嶺』』より引用
  • 私の貧しい知識でいつても、ごく稀な場合「幕府譯官」などと敬稱されるが、普通には「長崎通辯何の何兵衞」といつた卑しい言葉で、そこらの輕輩武士からも捨言葉される傾きがあつたやうだ。 徳永直『光をかかぐる人々』より引用
  • 家柄よりも物持ちを貴ぶ風は、山城大和から此頃この伊賀の國へも吹き込んで、田地持ち山持ちが上座になほるのを憤つてゐる源右衞門には、態とらしく丁寧に文吾母子を扱ふ傾きがあつた。 上司小剣『石川五右衛門の生立』より引用