傍輩
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名詞
52 の例文
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初め膳を持って出て配った時から、僕の注意を惹いた女である。傍輩に小幾さんと呼ばれたのまで、僕の耳に留まったのである。その小幾が頻りに児島に話し掛けている。
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しかしそれがしは不肖にして父同様の御奉公がなりがたいのを、上にもご承知と見えて、知行を割いて弟どもにおつかわしなされた。それがしは故殿様にも御当主にも亡き父にも一族の者どもにも傍輩にも面目がない。かように存じているうち、今日御位牌に御焼香いたす場合になり、とっさの間、感慨胸に迫り、いっそのこと武士を棄てようと決心いたした。
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その姉の嫁いだ男は羽振りよく勤めて、見事な立身をした。一族・傍輩が寄り集まって祝したが、その翌年にはまた立身して重役となった。
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どこであろうか菩提所を定め、しばらく精勤していたが、もともと、在所の上州に菩提所があったので、 「もしも死んだならば先祖代々の寺に葬られるようにいたしたいのだが、江戸勤中のことゆえ、よんどころなく江戸に菩提所を決めた」 ということを、主人へも申し立て、傍輩へも話していた。「それはどうでもなることだ」 と傍輩などが言って、なんということもなく時が流れた。駒井は最近、風邪気味だということで、床についていた。
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松坂局は三帆が姫路へ帰って来ないことを望んでいた。傍輩の直感で、松坂局は三帆の心中にある忠刻への思慕を察知していた。別に、ふたりの間になにかがあったとまでは推量していないものの、無意識に或る種の不安を感じとっていたのは、忠政夫婦と同じで、それ故、三帆が伊勢の慶光院へ願文を納めに行くと聞いた時は、胸のつかえが下りたような安堵感があった。
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起きて二階を下り見れば、傍輩ども牝鶏を殺す所なり。只今かかる夢を見しこの鳥、我にと、強いて乞い受け、日比谷の神明に放つ。
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そう思って、と見こう見するうちに、女中はそれが養竹さんに相違ないと極めた。そして邸に帰ってから、これを傍輩に語った。固より一の可笑しい事として語ったので、初より枳園に危害を及ぼそうとは思わなかったのである。
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傍輩が、みんなして死顔に化粧をしたというのだが、赤い唇からは今にも話しかけて来そうな感じがある。僧が来て、東吾は源三郎と共に寮を出た。
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渋江保さんの話に、渋江氏の若党柴田清助の身元引請人利兵衛は、本町四丁目の薬店大坂屋の通番頭で、年給二十両であつた。大坂屋では是が最高の給額で、利兵衛一人がこれを受け、傍輩に羨まれてゐた。渋江抽斎の妻五百の姉夫塗物問屋会津屋宗右衛門方の通番頭は首席を庄太郎と云つて、年給四十両であつた。
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五五七頁に、お銀がお君という女中を呼んで来いと言う。それを傍輩の女中が羨しがって「お前さんばかり、そんなお沙汰があつたのだから」と言っている。こういうことは武士の家でも、よほどいいところでなければいけない。
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八郎兵衛方に勤めていた吉田某が、その後、私のもとに来て勤めたので、真偽を尋ねてみた。吉田は松野のもとを退いた後のことであったが、古い傍輩であった者に聞いたところ、話の内容に相違はなかった。ある夜、屋敷内を廻っていた中間へ飛びつくものがいた。
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それから火を踏み消して、あとを水でしめして引き上げた。台所にいた千場作兵衛、そのほか重手を負ったものは家来や傍輩が肩にかけて続いた。時刻はちょうど未の刻であった。
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それは外の女中がいろいろの口実を拵えて暇を貰うのに、お蝶は一晩も外泊をしないばかりでなく、昼間も休んだことがない。佐野さんが来るのを傍輩がかれこれ云っても、これも生帳面に素話をして帰るに極まっている。どんな約束をしているか、どう云う中か分からないが、みだらな振舞をしないから、不行跡だと云うことは出来ない。
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数馬は「ありがたいお詞をたしかに承ったと申し上げて下されい」と言った。数馬は傍輩の口から、外記が自分を推してこのたびの役に当らせたのだと聞くや否や、即時に討死をしようと決心した。それがどうしても動かすことの出来ぬほど堅固な決心であった。
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我事も人の事も、有の儘を教師に告げる。そこで傍輩に憎まれてゐたたまらなくなるのである。又ドイツの或る新聞は「小学教師は生徒に傍輩の非行を告発することを強制すべきものなりや否や」と云ふ問題を出して、諸方面の名士の答案を募つた。
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ようわかりました。実は傍輩が言うには、弥一右衛門殿は御先代の御遺言で続いて御奉公なさるそうな。親子兄弟相変らず揃うてお勤めなさる、めでたいことじゃと言うのでござります。
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フェルナンドは、スコットランドふうの、ごばん縞の服の下で、苦しそうに喘いでいる。コルセットを傍輩に頼んで力いっぱい締めてもらったからだ。だらりと垂れた大きな乳房が押しあげられて、もりあがり、服の下で右に左に、まるで液体のように、たえず揺れている。
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