何等の理由

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  • その中に一つ、何等の理由なしに彼の記憶をとらえるものがあった。 直木三十五『サレーダイン公爵の罪業』より引用
  • おふさが遙々と長い土手を通ふのは此の店があるからより外に何等の理由も想像されぬ。 長塚節『おふさ』より引用
  • 無辜の儒者を、何等の理由なくして殺戮したものと、同一視することは出來ぬ。 桑原隲蔵『秦始皇帝』より引用
  • ことに私には殺すべき何等の理由もない人を私が選んだ場合、誰かが私を疑うだろうか。 モーパッサン・ギ・ド『狂人日記』より引用
  • 我々は夫を阻害すべき何等の理由も持つてゐない。 中村光夫『明治文学史』より引用
  • 何故お前はその立場に立つのだと問われるなら、そうするのが私の資質に適するからだという外には何等の理由もない。 有島武郎『惜みなく愛は奪う』より引用
  • もつともこれには主義のある事で、自分が出入ではいりするのには是非開けなければならぬが、それを閉めて置かなければならぬ何等の理由も発見出来ないからださうだ。 薄田泣菫『茶話』より引用
  • 甚だしきに到っては、何等の理由なしに大怒号大叫喚の修羅のちまたを演出したりします。 夢野久作『鼻の表現』より引用
  • 特に川越を目的とする何等の理由は無かった、全く出来心ではあったし、川越という処も一両度訪れたことはあるのだがどうも、東京もよりでは、すでに歩くだけは歩きつくしているような我身だから、時にはおさらいをして見るより外はないという事情もある。 中里介山『武州喜多院』より引用
  • さうして私は、たとひ其動機が善であるにしろ、惡であるにしろ、觀劇的興味を外にしては、我々の社會の安寧を亂さんとする何者に對しても、それを許す可き何等の理由を有つてゐない。 石川啄木『所謂今度の事』より引用
  • が、しかし、今日以後、かゝる状態が一日でも続くことは、もちろん、日本の恥であり、もはや日本人を弁護する何等の理由も存在しないことを、遺憾ながら、こゝに特に声を大にして同胞の前に叫ばなければならぬ。 岸田国士『或る風潮について』より引用
  • で、此等の學者の多くは何等の理由もなく漫然と或種の古書に信を置き、それを根柢として其他の書籍の價値を低く見積り、それによりて方法を立てるので、斯る缺點は獨り日本人のみならず、例の有名なる崔述の考信録なども、さう云ふ考によりて出來た者である。 内藤湖南『支那古典学の研究法に就きて』より引用
  • 何等の理由もなく、責任もなく、何等の予期もなく、不当に不意に強盗に惨殺される被害者の断末魔のやるせない心外さ、限りなき苦痛、燃ゆるような無念を考うれば、死刑囚の苦しみの如き、余りに軽すぎると思います。 菊池寛『ある抗議書』より引用