何彼と

全て 副詞
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  • 私もこの村では深井氏を唯一のたよりとし、何彼と御世話にばかりなつてゐた。 原民喜『小さな村』より引用
  • 父親は子供に気に入るやうな話を何彼として聞かせたが、いつかそれが大人に話すやうな調子になつて居た。 田山花袋『子供と旅』より引用
  • 何彼と話しかけて来る妻にも、一言も答えもせず、早目に床にいた彼は、翌日いつもの同じ時間に事務所へ出た。 高木彬光『妖術師』より引用
  • これに限らず、ずつと前から、兼家の好色の噂を、窕子は何彼と聞いて知つてゐるのであつた。 田山花袋『道綱の母』より引用
  • それには生來の好きである文學で身を立て度く、中にも歌は子供の時分から何彼と親しんでゐたもので、これを機として精一杯の勉強がしてみたい。 若山牧水『樹木とその葉』より引用
  • その若者が何彼なにか冷評ひやかしかけるのを、眇目めつかちの重兵衛が大きい眼玉をいて叱り付けた。 石川啄木『赤痢』より引用
  • いずれにしましても四十年もの昔から描き集めたものですし、それに今なお時折り何彼と参考に開いて見ますので、画室の手近いところに置いてありますの。 上村松園『座右第一品』より引用
  • いつだったか、先斗町ぽんとちょうで有名な美人の吉弥きちやと一緒に何彼と話していた時、お高祖頭巾こそずきんの話が出ました。 上村松園『好きな髷のことなど』より引用
  • もしソクラテスにして、何彼なにか斟酌しんしゃくばかりして、思う事も遠慮していわなかったとするならば、世界はまあどれほどの大損失であったことだろう。 新渡戸稲造『ソクラテス』より引用
  • その若者が何彼なにか冷評ひやかしかけるのを、眇目めつかちの重兵衞が大きい眼玉を剥いて叱り附けた。 石川啄木『赤痢』より引用
  • 仏国外相のタレーランの如きは、もっとも彼を敬重し、何彼と好意を寄せた。 国枝史郎『今昔茶話』より引用
  • 最近年の栖鳳先生はずっと湯河原にお出でになられたものですから滅多にお会いする機会もなくなり、何彼と先生のことを思い出そうとしますとどうしてもずっと古いことがあれこれと思い浮かばせられます。 上村松園『昔のことなど』より引用
  • 彼女はN警察で会つたとき、食後の煙草を呑気らしく吸ひながら、何彼と差入れや其他の事を彼女に注意してくれるEの言葉のとぎれるのを待つて聞いて見た。 伊藤野枝『監獄挿話 面会人控所』より引用
  • 破風造りの大きな家の、十坪の余もある土間の隅には石臼が置いて在って何彼と云へば餅が搗かれた。 金田千鶴『夏蚕時』より引用
  • 何彼なにかと申しましても、私は一つの願いに捉われている身でござりますれば、その願いの届くまでは、何んと申しても貴郎様の御親切にお答え申すことは出来ないのでござります。 国枝史郎『レモンの花の咲く丘へ』より引用
  • 泣きながら吐き続けるばかりの由樹也は役に立たず、新入りの中では自分が一番格上だと思っている俊輔は、今までも何彼なにかれとなく秋生に仕事を押しつけてきたのと同様に、処理を無理りに引き受けさせた。 山藍紫姫子『堕天使の島』より引用
  • 學生等は解剖臺をめぐツて、立ツて、二人の助手は何彼なにかと準備をして了ツて、椅子にもたれて一と息してゐる。 三島霜川『解剖室』より引用
  • あるじの方の僧は、却つてそれを名譽にして、何彼と道綱の機嫌を取つて、羊羹を高坏に載せて出したり、葛を溶いた湯を出したりして歡待した。 田山花袋『道綱の母』より引用
  • よその家を転々と渡り歩く度に、何彼なにかと物は失せたがる。 壇一雄『リツ子 その愛・その死』より引用
  • それだけに、それ等の土地の太古の住民は、天体の運行に興味を持ち、恰度漁師が風と雲によつて天候を予知するやうに、星辰を観測することによつて、何彼と生活上の便宜を得た。 岡本かの子『星』より引用
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