何かと云ふと
8 の例文
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褌とは何かと云ふと其当時の『軍衣』で今日の軍服に相当する。それで衣扁に軍と書くのであるかも知れぬ。
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ただ一人前の医者にさへなつてくれたらそれでいゝと思つてゐるらしかつた。それでも、目にあまるので何かと云ふと廃嫡といふ言葉を口にするのだつたが、効き目はなかつたやうである。そして、あんなに厳格だつた正文がこんなに度重る息子の不始末に、一々尻ぬぐひをしてやるのもふしぎであつた。
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それは、彼の女の哀れな身の上に対する同情から生れた恋であるためだつたからかも知れないけれども、私達は人目を忍んで会ふ時でも、あんまり話をし合はないで、唯嘆息を吐いてばかりゐる時の方が多かつた。何かと云ふと彼の女は、袂で顔を蔽うてしくしくと泣いた。
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或はお醫者さんから政治家が出たり、左官から慷慨悲憤の志士が出たりした。之は何かと云ふと、教育と云ふものは程度を定め、之れ以上進んではならぬと云つて、チヤンと人の腦膸を押へ附けることの出來ないものであるからだ。少年が大工にならうと思つて工業學校へ這入るとする。
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そして全く單純な誤解に始まつた先生の私達に對する不快の氣持は、その日から漸次に色を深めて行くやうに思はれた。先生は何かと云ふと激昂された、詞に角を立てた。先生の、殆ど病的と思はれるばかりに鋭敏な神經は、私達の前に立つと何時も苛立つてゐた。
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所謂飜譯して騎士と云ふのです。シヴアーリーと云ふものは何かと云ふと貴族に仕へて其貴婦人の前では跪いて禮儀をする、婦人を保護すると云ふことがシヴアーリーの役目であると云ふやうに段々盛立てられて、それが終ひには一變してゼントルマンの紳士道になつて來たのである。此シヴアーリーが一種の日本の武士道と同じくナイト・フードと云ふものがありまして戰場に於て手柄を立て立派なことをした者は、王樣が刀の背を以て脊中を三つ叩く、之が即ち名譽を與へたのです。
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外海の暴い怒號の外に、なほ町自身の膊動がある。何かと云ふとそれはかの平地を驅けつて來る汽車である。忽ち長大の一物が山の鼻のところへ形を現はす。
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