何かと不都合
19 の例文
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拓銀に勤めて、一年も経たんうちに、急に東京の商大ば受験するって、東京さ行ってしまった。小説家になるには、東京にいなけりゃ、何かと不都合だと思ったんだべな。タミちゃんのためにもいい小説書いて、闇から救ってやろうと思ったんだべさ。
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それに美沙緒は四月からまた仕事をぼつぼつ始めるつもりでいた。いくらイラストの仕事が自宅でもできるとは言え、常に小さな子供に行動を制約されていては何かと不都合が多い。せめて午前中だけでも解放されていれば、仕事に打ち込むこともできるだろう。
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だがその家に住むことは何かと不都合なのだった。娘たちのことを考えれば、信子の亡いあともその家に住み続けるのがいいのだが、岸に対する世間の冷たい目を考えると、それもかえって娘たちにいい結果をもたらさないような気がした。
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どうせもらうのならやはりアクセサリーやブランド品のほうがいいようだ。しかももらった花束をそのまま店内に飾るのは、何かと不都合がある。
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もし妊娠してゐたら、きつと中絶してゐたはずだ。何かと不都合が多く、自分も、生れて来る子供も、それから相手の男も、不幸になることが目に見えてゐるからである。その場合のことを想像すると、罪悪感といふやうなものはどうも感じさうもない。
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従って、月形から幌内へゆくには、いったん江別まで水路で下って汽車に乗り換えなければならない。これでは北海道にまず出来た二大集治監の連絡に何かと不都合であるというので、この春から、両者を直接つらねる道路を双方の囚人の労働で作りはじめたのであった。それが毎日、集治監の門から隊をなして出てゆくのは、月形の町の人々ももう見馴れていて、こと新しく見物する者もないが、この朝は、ふと気がついた人々の眼を見張らせた。
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それに加え連合艦隊司令長官の地位が単なる戦闘指揮官ではなく海上作戦全般の総指揮官という意味も帯び始め、補給部隊や基地航空隊、鎮守府なども指揮下に入るようになった。こうなると多くの司令部人員の増加が必要となり、居住及び勤務空間の確保や無線設備の増強など海上の一艦にあって総指揮をとることが何かと不都合になってきたのである。実際、当時のアメリカ海軍太平洋艦隊司令部はハワイにあり、陸上から指揮をしていた。
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安宿を出るとすぐ、新宿で買い揃えたのだ。東洋連盟のオフィスは西口のビルの中にあり、あのつんつるてんの古い服では、何かと不都合な場所柄だと思ったからである。
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背中合わせとなった各兵屋の裏口には、4軒共同の井戸が設置されていたが、使用に際して互いの家の中が丸見えになるため、何かと不都合があった。そこで各兵屋の裏口を表口に切り替え、井戸を埋めてその周囲の空間を幅5間の道路へと造り替えた。
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その時秋子ははじめて吉井と会い、テニスが話題になった。当時秋子は、川崎のクラブでコーチをしていたが、何かと不都合な点が多く、それをちょっと口に出すと、栃之木のほうから吉井に、別のクラブへ紹介してやってはもらえまいかと持ちかけた。
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考えるに、吉井さんは、いよいよ提訴するとなれば、わたしは両者の顧問弁護士をつとめている立場だから、何かと不都合な事態が生じるかもしれない。
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達川の忠告のこともあったが、日美香の中で、佑介との結婚話をもう一度考え直したいという気持ちが日増しに強くなっていたからでもあった。「就職するとしたら、今のままでは何かと不都合なのではありませんか」 ややあって、聖二はそんな意味ありげな言い方をした。
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「そうね」 祥子さまも、感心したようにうなずいた。「でも、私たちのアシスタントであることはわかるようにしておかないと、何かと不都合もあるなぁ」 令さまの意見も一理ある。あれよあれよという間に、話し合いが進んでいく。
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「北」にとって「南」がオリンピック開催によって世界の脚光を浴びることは、屈辱以外の何物でもないと思うのが、ごくふつうの解釈ではないか。仮に、自国の選手が韓国に行って、韓国の発展ぶりや、自由な人民の生活を目のあたりにしたら、何かと不都合を生じるであろうことは想像に難くない。デッチ上げ説の中には、キム・ヒョンヒなる女性は替え玉だというのもあった。
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問題は場所のほうだった。店の近くは何かと不都合が多い。あの辺には売人やヤク中がごろごろいる。
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ただ、決してそういうことにはならないようにしてきたのが、これまでの人間の社会であった。男たちが、おしゃべり好きで楽天主義、論理的思考は不得手だが直感力に優れているというような、せっかくの女の特性にきわめて低い評価しか下さないのは、女たちが大いに自信をもち発言力を身につけてくると、戦争遂行のために何かと不都合なことが増えてくるからなのではあるまいか。人間と戦争との深い関わりの歴史について述べるのは別の機会に譲るとして、エピローグでは、人間が人間になるにあたってとりあえず大きな関わりをもったと思われる要因、つまり婚姻形態、子殺し、浮気、ごまかしといったものが、それぞれどういう位置関係にあるのかということについて、整理し直してみようと思う。
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ただし、私の場合はもともと生身の人間に対する欲望が薄いのではないかと思えるフシもあり、その前やその後に比べると、セックスをほとんどしない約六年間は、精神的にも肉体的にも非常に安定していたように思う。この期間は、セックスとは何か、欲望はどこからやってくるのか、センズリはなんで気持ちがいいのかを考えるのに格好の時間となって、重要な思索を私にもたらしてくれたのだが、本格的にセックス問題に取り組むにあたり、これでは何かと不都合が生じる。セックスについて偉そうなことを言っているのに、「でも私はもっぱらセンズリでして」とか「具体的なやり方は忘れましたが」とか言うと、説得力に欠ける。
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