似合しい

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  • 僕はその時ならないのと平生の市蔵に似合しからないのとで驚ろかされた。 夏目漱石『彼岸過迄』より引用
  • インガ・リーゼルが、知識階級から出た、教育と経験のある婦人党員であり、工場が、婦人の活動に似合しい裁縫工場である故もあって、彼女はそういう困難は経験しないですんでいるが、彼女のところには別な種類での困難があった。 宮本百合子『「インガ」』より引用
  • 私は彼の口から、彼の幸福さうな赤い顔に似合しいやうな浮々した言葉が、無造作むざうさに浴びせかけられることを思ふとたまらない気がされた。 中戸川吉二『イボタの虫』より引用
  • そういう結末を、彼の短かい人生につけることが最も似合しい、とおもわせるものが彼にあったらしい。 吉行淳之介『私の東京物語』より引用
  • 前に言った八十七歳の山水図にしても、大丈夫の襟懐などという古風な観念には凡そ似合しからぬ鋭敏複雑な近代水彩画の touch が現れている。 小林秀雄『モオツァルト・無常という事』より引用
  • その日はちょうど雨がしょぼしょぼ降って、婚礼には似合しからぬびしい天気であった。 夏目漱石『行人』より引用
  • 千鶴子は矢代と幸子との間にあった昨夜の不明瞭な喰い違いの様子も敏感に察したらしく、場所には似合しからぬ唐突な笑顔だった。 横光利一『旅愁』より引用
  • 男には似合しからねど、すべて優形やさがたにのどやかなる人なり、かねて高名なる作家ともおぼえず心安げにおさなびたり。 長谷川時雨『樋口一葉』より引用