人の兵隊
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甲板の兵隊は縄を引き、煙突付近の外舷の低いところにたぐりよせた。
頭上を二人の兵隊が綱につかまって甲板にはい上がっている。
三笠は目の前の縄梯子を左手でつかまえた。
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辺見じゅん『完本 男たちの大和(下)』より引用
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ホテルや旅館がズラーッと並んで、そこここに丹前姿の客が、二人、三人とそぞろ歩いている。
車は、一軒の大きな旅館の前に止って、後の三人の兵隊が先ず降りた。
ハナも素早く降りて、三人の中にかくれるようにして旅館の玄関へ駈けこんだ。
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青島幸男『人間万事塞翁が丙午』より引用
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堕ろした赤ん坊はどこにやったかと問いつめられても、答えに困っておろおろするばかり。
一人の兵隊が、彼女の自宅付近を捜査中、妙なものを見つけた。
庭の石垣のくぼみのところから、一羽の鳥がくちばしで、下着らしきものを引っ張りだしているのだ。
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桐生操『美しき拷問の本』より引用
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三人の兵隊が大きな口をあけたトンネルに飛びこんでいった。
それから四人目、さらに五人目の兵隊が。
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ルブラン/大友徳明訳『オルヌカン城の謎』より引用
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田辺はあまりのことに声も出せずに竦んでいた。
自分の眼前で五人の兵隊が手品のように消えてしまったからだ。
銃を構えて駆けつけた兵隊たちが四人の前で壁となった。
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千秋寺亰介『怨霊記 1 四国結界篇』より引用
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俺は徴兵の権限を思ふ存分悪用してやつたからな。
百五十人の兵隊を徴集するのに、免除の袖の下で三百ポンド余り儲けた。
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シェイクスピア/福田恆存訳『ヘンリー四世』より引用
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それはゲリラ戦にも適用される。
千人の兵隊のうち三百三十四人が死亡すると、國子たちは戦争に負けたとみなされる。
これを無視して戦闘を継続すると、国連が黙ってはいない。
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池上永一『シャングリ・ラ 下』より引用
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と声をあげたときには、数人の兵隊に銃をむけられていた。
大野木寛『ラーゼフォン第04巻』より引用
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ぼくは岸にそって走る道路を眺め、監視員をさがしたが、一人も見つからなかった。
道路はいまでは岸のすぐ近くを通っていて、一人の兵隊がその道路に面したカフェから出てくるのが見えた。
彼は、ドイツ兵のような灰色がかった緑色の軍服を着、鉄兜をかぶっていた。
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ヘミングウェー/高村勝治訳『武器よさらば』より引用
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ただ一つ、たえず聞こえてくるのは、猫のしつこいなき声だった。
ザーンダムの近くで、流れていた乾草の山から一人の兵隊が助けてやった猫だった。
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ウエルズ/水嶋正路訳『解放された世界』より引用
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そして、二度、三度、吊籠を地に跳ねさせながら、さらにゆらりと空へ舞いあがった。
あとに、ふりこぼされて尻餅をついた二人の兵隊がとり残された。
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山田風太郎『警視庁草紙(下)』より引用
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慰霊団が来た時にはちゃんと立っていたものが、いつか風や雪で倒されて、それでコースト・ガードたちも所在を知らなかったらしい。
運転手兼案内役の二人の兵隊が、ショベルでそこを掘ってくれた。
ちょっと掘ると水が湧き出して来る。
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阿川弘之『私記キスカ撤退』より引用
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お持ち合せがあれば、護送車で元気をなくしている少年に恵んでやっていただきたいのです。
二年間ばかりガレー船へ送られることになっていますが、十二人の兵隊も同罪です。
先日、さる伯爵の殺害に加わった廉で漕役刑を言い渡された者たちです。
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セルバンテス/荻内勝之訳『ペルシーレス(下)』より引用
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数十人の兵隊らしいのを集めて、勝ちそうなほうに味方しようという投機的なグループもあった。
陳舜臣『秘本三国志 02 (二)』より引用
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そして顎で別のところを指し示した。
そこに二人の兵隊が倒れているのが見えた。
霧の中に突入して姿を消した斥候だろう。
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千秋寺亰介『怨霊記 1 四国結界篇』より引用
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ぼくたちはその村をすこし散歩し、それから鞄をとりに波止場におりていったのだ。
一人の兵隊がボートを監視して立っていた。
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ヘミングウェー/高村勝治訳『武器よさらば』より引用
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彼はそばの石の上に倒れるようにすわりこんだ。
十二人の兵隊は王子の正面の位置についた。
王子は兵隊たちを見ないように顔を伏せた。
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ルブラン/大友徳明訳『オルヌカン城の謎』より引用
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ときどき馬を全速で飛ばしている兵隊がその白い煙の上に浮き出すのが見えるだけだった。
突然敵のいる方角から四人の兵隊が全逮力で走って来るのをファブリツィオは見た。
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スタンダール/大久保和郎訳『パルムの僧院(上)』より引用
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先生の愛し方は独裁者の愛し方ですよ。
たとえば軍人が、軍人精神によって、一人の兵隊をよき兵隊として愛す。
ところがこの兵隊はよき軍人的であるために己れを偽って隊長の好みに合せている。
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坂口安吾『安吾人生案内』より引用
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傷病患者の悪臭がただよっている。
部屋にはいってみると、十数人の兵隊が寝ていた。
みんな傷病患者であった。
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高木俊朗『インパール』より引用