云って聞かせる
18 の例文
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さあ、正直に云ってくれ。おれの方から云って聞かせてもいいが、それじゃあおめえの為にならねえ。おめえの口から正直に種を明かして、このあいだ嘘をついた罪ほろぼしをした方がよかろうぜ。
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おめえだから云って聞かせるが、師匠は蛇が殺したんじゃあねえ。人間が絞め殺して置いて、あとから蛇を巻きつけたに相違ねえ。
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彼は自分だけの料簡で、二つの間にある関係を拵えた。同時にその関係を後からお延に云って聞かせてやりたくなった。単に彼女を気の毒がらせるために、病気で寝ている夫を捨てて、一日の歓楽に走った結果の悪かった事を、彼女に後悔させるために。
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そうして彼が絶対にお賽銭を取らない神様である事がわかるにつれてイヨイヨ崇拝敬慕の念を高める事になって来る。そんな人間にはイクラ云って聞かせる者が居てもわからない。
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いつもかすかに笑う其目つきが忘れられなくなつかしかった。お松もとると十六になるのだと姉が云って聞かせた。お松は其時只かすかに笑って自分のどこかを見てるようで口は聞かなかった。
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あれで一日五六銭で食っているんですからね。どうしてああ強いのだか全く分りませんと、さも呆れたように云って聞かせた。
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彼の云うことは、まさしく前の月わたしがマルスリイヌに云って聞かせたことなのだ。だから、わたしはそれを尤もとしなければならないわけだった。
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おれはおとなしくおめえに云って聞かせるのだ。その積りで、まあ聴け。
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私も死を賭しているのであるから、あなたもその気におなりなさいと、私は夫にそう云って聞かせるのが目的であった。あれから以後の私の日記は、もっぱらその目的に添って書かれているのであるが、書くだけでなく、場合によっては喀血の真似事をさえ演じて見せる用意をしていた。
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その時はめでたいからと云うので、客間の床には必ず虎の双幅を懸けた。これは岸駒じゃない岸岱だと父が宗助に云って聞かせた事があるのを、宗助はいまだに記憶していた。この虎の画には墨が着いていた。
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「まだ云って聞かせることがある」と、半七はあざ笑いながら云いつづけた。
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云って聞かせるよくお聞き。みんなお前さんが悪いのさ。
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もっとも、その時、間淵の尼の話した処では、加賀の安宅の方から、きまって、尼さんが二人づれ、毎年のように盂蘭盆の頃になると行脚をして来て、村里を流しながら唄ったので、ふしといい、唄といい、里人は皆涙をそそられた。娘たちは、袖を絞ったために今もなお、よくその説句を覚えていると、云って聞かせました。心中の命は卯辰山に消えたが、はかない魂は浮名とともに、城下の町を憚って、海づたいに波に流れたのかも知れません。
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じゃあ、おれの方からよく云って聞かせる。貴様が初手から清水山へ行く料簡もなし、またなんにもうしろ暗いことがねえなら、初めから黙っている筈だ。
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そこで藤兵衛は、池之端仲町の相生屋で聞いた話を云って聞かせた。
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云って聞かせて下さい。
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僕が偉大な思想を語っているのに君はどうだい。君には分からないから云って聞かせるが、偉大な思想は僕を《えん》飫させる。そして僕の体の周囲の闇を昼の如くに照しているのだよ。
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