予め
全て
副詞
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専門の科学者となるには先ず科学的素養と教養とが必要であるは勿論のことだし、専門の科学者を教育することや、又専門の科学者が人を教育することを除いては、科学の普通教育は行なわれ得ないから、この二つのものが直接に結びついていることは云うまでもないことだ。
だが実はこの結びつきに予め注意を払わねばならぬものがあるのである。
というのは、一体今日の日本の教育に於て、科学の普通教育が科学者養成の専門教育とどれだけ区別されているか、ということが問題なのである。
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戸坂潤『現代科学教育論』より引用
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モビルスーツはボディを中心に、腕部、アーマー、脚部、オプションユニットに分割されており、それぞれ自由に組み換えが可能となっている。
予め用意されたカラーパターンの中で機体の色を変更することも出来る。
なおこの世界のモビルスーツは機体の情報とECAPと呼ばれるエネルギーをGシステムにかける事で「創造」される。
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それでも彼は、僕に印税の代りだと言って、予めじゃがいもを一俵くれた。
予めというのは本が出た頃には僕はもう東京に帰って来ていたからだ。
その後、藤本君とはすっかり音信不通になったが、彼は道楽が過ぎて親父さんに叱られたらしく、二度と本を出版したということを聞かない。
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福永武彦『第三随筆集 枕頭の書』より引用
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何故か私はそう思っていた。
それはすべてが始まった時に予め定められていたことのように思えた。
上も下も右も左も、何もわからぬ闇の中に、針で刺したような光が見えた。
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牧野修『だからドロシー帰っておいで』より引用
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無論僕のつもりでは、それを一つの脅迫的な比喩として使ったに過ぎないのだが、しかしジナイーダを驚かせたのは、自分が犯人に擬せられたのを悟ったからではない。
元来犯罪者と云うものは、そう云う点には予め用意があるものだからね。
では、なぜかと云うと、その一句の文章と云うのが、自身の不思議な夢幻状態を語った、カルメル派の創始者聖テレザの言葉だからだよ。
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小栗虫太郎『聖アレキセイ寺院の惨劇』より引用
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例えば、管を継ぎ足して気柱を延長したり、弦を緩めて張力を小さくしたり、 弦を太いものや重いものに取り替えるなどの操作である。
当然、これらの特殊な操作は、予め演奏前に行っておくのが原則である。
しかし、 これらの操作の結果で拡張された低音域は確かに出すこともできるといった程度のものが多く、 その他の音域での演奏に支障を来すこともしばしばで、 期待するような音が得られづらい。
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すると、どうでしょう、私の身体は忽ち分解作用を起し、第六元素に還元した私の霊魂は、飄々と天空に舞い上り、涅槃界から無色界に降り、無色界から色界欲界と順々に降って、一瞬の間に善見城の父の住所に着いたのです。
父は予め私の来るのを知っていて、涙を流して私に意見を加えました。
それから先は委しく説明するまでもありません。
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谷崎潤一郎/種村季弘編『美食倶楽部 谷崎潤一郎大正作品集』より引用
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彼はまず急いでアルカージイとバザーロフの手を握った。
二人が自分の祝福を必要としないことを予め理解しているかのように。
そして彼は一般にさりげない態度をとった。
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ツルゲーネフ/佐々木彰訳『父と子』より引用
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併しそのためには予め科学に二つの種類を区別しておくことが必要である。
戸坂潤『イデオロギーの論理学』より引用
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明らかに対外的に操作された映像だ。
民衆はこれが生中継だと信じているが、予め用意されたものかもしれない。
首都層で何が起きているのか、地上からは何もわからないのが実情だった。
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池上永一『シャングリ・ラ 下』より引用
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それは地獄へ堕ちることを予め知っていた顔ではなかったのだろうか。
頼る者もない諦めたようなその顔、しかし御主人様がいた筈なのだ。
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福永武彦『夢みる少年の昼と夜』より引用
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こう云うのがえらがるのでないことは勿論である。
また過誤のあった時、分疏をするために予め地をなして置くのでもない。
これは私の性質と境遇とから生じた事実である。
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森鴎外『不苦心談』より引用
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これはもはや探検船隊の準備ではなくして、新しい土地を占有し経営するための植民船隊の準備である。
コロンブスは既に予め副王としての活動を開始したのであると云ってよい。
このプランの実現には多数の官吏や軍人が必要であった。
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和辻哲郎『鎖国日本の悲劇 (前編)』より引用
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タクシーを使うのも避けたいので、予めレンタカーを借りているはずだ。
澄枝にはたっぷり酒を飲ましてある。
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原田宗典『屑籠一杯の剃刀 自選恐怖小説集』より引用
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私は予めファックスで帰ってくることをちゃんとご連絡したんですよ!
有沢まみず『いぬかみっ!10』より引用
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余が曩に愛山生の文章を評論したる事あるを以て、此題目に於て再び戦を挑まんの野心ありなど思はゞ、此上なき僻事なるべし。
之れ余が日本文学史骨を著はすに当りて、予め読者に注意を請ふ一なり。
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北村透谷『明治文学管見』より引用
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小屋の隅のペーチカは赤く燃え、鉄板に獣脂をしいて、薄く切った黒パンがのせられている。
一人ごとにぼくが約三分の一を予め切って用意しておくのである。
うまそうな匂いをまきちらしている。
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胡桃沢耕史『黒パン俘虜記』より引用
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それを一言で発現させるなんて魔術師はいない。
可能だとしても、遠坂のように予め触媒を作っておく以外にないだろう。
にも関わらず、キャスターは呟くだけで大魔術を発動させた。
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奈須きのこ『Fate/stay night セイバー Fate TrueEnd 夢の続き』より引用
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それとも、亜は丘本の知らないような事実を、予め知っていたのだろうか。
泡坂妻夫『亜愛一郎の転倒 (亜愛一郎シリーズ2)』より引用
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現今の教育の結果は自分の特点をも露骨に正直に人の前に現わす事を非常なる恥辱とはしないのであります。
これは事実という第一の物が一元的でないという事を予め許すからである。
私の家へよく若い者が訪ねて参りますがその学生が帰って手紙を寄こす。
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夏目漱石『教育と文芸』より引用