主客転倒
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名詞
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途中でXの片方の靴が足許が悪くて脱げ落ちたが、どうせ死ぬ身に靴はいらないと、首藤がそのまま追い立てた。いよいよ犯行に着手しようというときに猪が介入して来て主客転倒した。命拾いした犯人は、さて現場から逃げようとして、靴が片一方失われているのに気がついた。
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何処からかビールとサイダアが運ばれる。かういふ主客転倒のやうな状態が時々われわれを途方に暮れさせた。将兵の労苦をちと味はせてやれといふやうな意識はわれわれを迎へる前線の何処にも感じられない。
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では何のためかといわれると困るが、それらはすべて自然発生的なものだと信じていた。生むも殖やすも派生的なことであって、それを主体にするとは主客転倒である。しかるに女学校の体操や徳育でさえすべて、健やかな子供を生むための、健やかな母たるべし、というのが目標であった。
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しかしながら数学の状態よりも物理学等の実験諸学科の方が一歩をぬきんでたのではないかとの感がある。どうしてこんなに主客転倒の有り様になったのであろうか。これには社会状態の変化がここに大なる関係を有する。
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あくまで外と内であり、他と中ではあり得ない。それが主客転倒の真意の通じない行いであることを、半ば知った上で、臨みと覗きは行われる。
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歴史家や好事家は過去の他人に関する資料を血眼になって蒐集するが、自分に関するものは蒐集しない。これは主客転倒ではないか。史上の人物の方が自分より偉いから蒐集の価値があると考えるのかもしれないが、そんな他人よりも自分自身への執着なり興味なりの方が強いはずではなかろうか。
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おそらくこの先人も、どうしたものかと迷ったすえに入浴の方を選んだのだろう。こちらはお客なのに、こんな気持の圧迫はまさに主客転倒ではないか、と考えながらも私はなおも立ちよどむ。いったんお湯につかろうと思っていた気持が中止されるのは、本当に絶望的なことである。
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白鳥は、患者の椅子を俺に勧めた。「ま、ま、そこにお掛け下さい」 主客転倒もいいところ。それは俺のセリフだ。
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だから、グレイト・ゲイブル山で女を見かけるなど、まず思いも及ばなかった。いわんや、男性の助力を必要とすべき筈の女性に逢いながら、主客転倒、女性に助けて貰うような羽目に陥ったのだから、容易ならぬことであった。しかも、彼女はその役目をやってのけ、また、彼女の友達も当然手伝わずにはいられなかった。
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主客転倒とは、このことだろうか。今まで、犯していたはずの宮永が、朱鷺子の秘肉の味わいに舞いあがって、早くも爆ぜそうになっていた。
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しかし、道路管理者の判断によって設置されているため不統一な状況が見られ、道路利用者の安全な通行に悪影響を及ぼすことも少なくない。また、法定外の路面標示が法定の路面標示と主客転倒するような乱用は避けなければならない。そのため、国土交通省や警察庁は通達やガイドラインを通じて全国的な統一化・標準化を努めている。
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前者は『触らぬ神に崇りなし』の態度で、彼女を徹頭徹尾無視するという非常に分かりやす いもの。後者は、悔しさと熱意から自分なりの研究と勉強を行って、シャナにその是非を問うという、なんだか主客転倒なもの。
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何故か、人々も至極当然のように私の言葉を受けとめ、いつしか主客転倒のままパーティ再開である。さて、ようやく我にかえってあたりを見まわすと、何とも個性的なメンバーの集まりである。
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彼女といっしょにいると、私も負ける気がしなくなってくる。どうも主客転倒の気味はあるけど。涼子はカクテルドレスに手を走らせた。
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主客転倒で、今度は新子がだまりこんでしまった。前川は、ふと空を見上げた。
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これについて井沢元彦は、北朝鮮は正義で、悪いのは韓国でありアメリカ帝国主義であると考えるように、藤原のような近現代史学者の一部は、大切なのは「真理」ではなく「イデオロギー」であるだけであると批判している。コラムニストの志摩永寿は、藤原は藤岡信勝を批判する『近代史の真実は何か』という著書を出していたが、こんな「嘘八百」「主客転倒」の論理を展開する者に「近代史の真実」を語る資格があるのだろうかと批判した。
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奥様の美しさにうっとりした猿廻しを、猿が「シイ」と叱るとは、主客転倒の珍風景だった。