並なみ
全て
名詞
18 の例文
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俳優たちの並なみならぬ勉強ぶりがはからずも知れ渡ってしまったわけである。また前美藝公笠森信太郎が両側にひとりずつ負傷者をかかえて坑口にあらわれた際の写真も、「豪勇」「怪力無双」「快傑」など、驚異の念をこめた大きな活字の大見出しと共に掲載された。
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やはり彼はあのライターに並なみならぬ関心を持っている。老人が山本喜三郎であればイニシャルが一致しない。
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おまけに詩人の想像力にも恵まれておる。さらに良いことに、こやつは天災や地震について並なみならぬ関心を持ちあわせておる。おそらく、その難事業に挑み得る物理畑の人間は、こやつを措いて他にはおらぬ!
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しかし中谷も、梶井も台詞廻しはあまり得意ではなかったし、また重視してもいないようでもあった。中谷は梶井のように熱の入った態度は示さないが、並並ならぬ関心を抱いていることは判る。彼等にこれほどまでに興味を持たせるものは何か。
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このようにいくつかの突起の角で、いきなり進路を阻まれた突風はつむじ風になって、そこを越えることはむずかしかった。ミハイル・ストロゴフは、そこを通り抜けるには並なみならぬ力を必要とした。だが、叫び声を上げている旅行者たちとは、もうそんなに離れていないことがわかった。
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是れを自分は歌つて居るのであるがまま驕慢であるかのやうな誤解を受けると云ふのであつて、其事が並並の自覚と云ふものとは変つたものであることをも云はうとしたのである。
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わたしは単なる意識、知覚する存在でした。目にする光景に並なみならぬ好奇心をいだき、この都市がいったいどういうものであるかを、苦しみながらも思いだそうとしたことをおぼえています。
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正宗白鳥がトルストイの家出と野垂れ死に近い死に方のなかにこの凡俗で隙だらけの生活者と表現者をみたとき小林秀雄は苛立った。だが白鳥の一種の偏見が並なみならぬ文学の実生活化の果てに形成された強固なものであることは判っていたはずだ。ただ判っていたほどに身につまされていたとはいい難かった。
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プオ・カイの申しますには、妻を離縁いたしましたところ、首都におっては、妻の一族が厄介を引き起こすゆえ、そこを離れてしばらく滞在いたしたいとのことでございました。あの者は放埓な泥酔漢ではありますが、並なみならぬ実務能力の持主であることを証明いたしました。掲示を読みました後、家令を呼んで、プオ・カイを最後に見たのがいつであるか尋ねましたところ、昨夜、非常に遅くなってから帰ってまいったと申しました。
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そのとき小野の脳裡にはというかすかな疑問が浮かんだ。もしそうだとしても、これまた並並ならぬ金と労力と、すなわち殆ど誠意に等しい手間隙のかかった演出であるといわなければなるまい。戦後、平壌から引揚げて来た小野が美術教師として勤めていた青森一高へ講演に来た棟方は、「そこにいる小野忠明先生が、わたしの絵の先生ですよォ」と叫び、壇上から駆け下りると、小野の両手を握って「この人が、わたしの先生ですよォ」と繰返しながら何度も万歳のような恰好をした。
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任意同行を求めて来たのが一署ではなく、神奈川県警からも参加した十数人の大部隊であっただけに、聴取対象の事情というものが並なみならないことを察知している。
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黒田もその並なみではない覚悟を感じとって、うなずきかけた。
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悪魔が彼女の体内に隠れ棲んでいる。それを知らずに、関白殿は彼女を身近う召し出されて、並なみならぬ寵愛を加えられている。その禍いが関白殿の一身一家にとどまれば未だしものことであるが、悪魔の望みは更にそれよりも大きい。
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このころ詩人は外交官であっただけでなく、七四年から八六年まで、ロンドン港税関の監督官として日常の業務に精励していたのである。詩作への並なみでない情熱と精進がなければ、このように名作を相ついで生み出せはしなかったであろう。
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持前の女性崇拝癖に加えて、この「みづからをむなしく」し、出会う相手に応じて千変万化する観世音菩薩こそ、志功には「他力」の化身とおもわれたのではないだろうか。それに東京から福光に疎開したとき以来、チヤの並並ならぬ働きに助けられたことが多く、「足裏の土踏むちから/女人われこそ観世音ぼさつ」とかの子のいうその土踏む力を、実感したこともあったのではないかと想像される。かれ自身の語るところによれば、この作品は、『鐘溪頌』で初めて掴んだ黒地に白い線を出す方法を用いようとおもって取りかかったものだった。
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ペリーの以前のようなあんな貧弱な体力では、とてもこの危険に満ちた苛酷きわまりない地底世界の、原始的な生活を生きながらえてこられるわけがないからだ。ペリーは、わたしの地図とグリニッチの〈王立観測所〉に並なみならぬ興味を示した。二人は試掘機まで例の歩数計を使って労せず正確に引き返したのだ。
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いつもはものに動じることのないこの不敵な若者の胸をそう動揺の念がよぎった。しょせん富田流には通用せぬ、そう豪語はしたものの、その女の幻術の業が並なみならぬものであることは骨身に染みて思い知らされている。小次郎はすばやく剣を引くと、女に飛びかかり、その体を捕らえようとした。
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