不ユカイ
全て
名詞
18 の例文
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給料も高かつたし子供のことは何も知つてゐない人だつた。それに不幸であつたためか何んとなく不愉快な感じがしてならなかつた。顔も普通の人とはちがつてゐるやうな気さへするのだつた。
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話をするところを聞いて、すぐ及ばないと思った。それだけでもこの場合に僕を不愉快にするには充分だったかも知れない。けれどもだんだん彼を観察しているうちに、彼は自分の得意な点を、劣者の僕に見せつけるような態度で、誇り顔に発揮するのではなかろうかという疑が起った。
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起きるとまたすぐに、朝霧の晴れ間も待たれぬようにして大将は山荘への手紙に筆を取っていた。不愉快に思いながらも夫人はもういつかのように奪おうとはしなかった。書いてしばらくそれをながめながら読んで見ているのが、低い声ではあったが、一部だけは夫人の耳にもはいって来た。
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親しい間のものが気まずくなったほど気まずいものはない。彼はほとんど悒鬱といってもいいような不愉快な気持ちに沈んで行った。おまけに二人をまぎらすような物音も色彩もそこには見つからなかった。
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聴衆に冷笑されたりしようものなら、日本人が皆非国民になってしまったような心細い感じが起こるであろう。そうすれば今よりもいっそう不安な、不愉快な気持ちになるに相違ない。そういう結果を導き出すためにわざわざ警衛や宣伝に出てくる必要は果たしてあるだろうか。
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メレランは覚悟を決め、ロビーには、服をたたんで荷袋に詰めるよう、こっそり合図をした。ロビントンは、不愉快な思いをせずに住居を出ていきたいと思っていた。父親は、いまごろは工舎のどこかにいてもよいはずのときなのに、きょうにかぎって住居でぐずぐずしているのは、なぜなのだろう?
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こうして、まもなくわたしは東の崖の、西の崖にある〈獄舎〉と同じくらいの高さのところに出てしまい、旅籠を出た時よりも〈獄舎〉に着く望みは、より薄くなってしまった。正直にいえば、この発見は必ずしもそれほど不愉快なものではなかった。
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幌が取り除かれると同時に狭い入口を通って病室にかき込まれた時いちばんに目についたのは灰色の壁であった。不愉快な灰色の高い壁は上の端で曲面を形作って天井につながっていた。天井の真中に白く塗った空気抜きの窓がただ一つあるだけであった。
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なるほど自分は世の中を不愉快にするために生きてるのかも知れない。どこへ出ても好かれた事がない。
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じっさいどこでも回り道をして巌洞人以外の人間に会うのを避けた。巌洞人の同僚は受け入れられても外の人間の憐れみは不愉快なのだった。
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朋友の間には畏敬をもって迎えられる清逸だけれども、自分の家では掃除一つしようともしない怠け者になってしまうのだ。彼の帰ったのは彼の家にどれだけの不愉快な動揺を与える結果になったか。そのために父の酒はまずくなる。
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私が真心のある友人を持たなかったということ、それは確かである。というのは、私に不愉快なことを言う人がいなくなったということだ。その一方私は、自分の一段低い身分から来る引け目を感じずにいられた。
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このようにして普及された間に合わせの科学的知識をたよりにしている不安さは、不完全な水道をあてにしている市民の不安さに比べてどちらとも言われないと思った。そして不愉快な日の不愉快さをもう一つ付け加えられるような気がした。水道がこんなぐあいだと、うちでも一つ井戸を掘らなければなるまいという提議が夕飯の膳で持ち出された。
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以上八人、私をこめて九人の人間が、この家に暮している。みんな良い人たちで、お互いの間にゴタゴタや不愉快なことは起きない。一同互いにむつみ合い、親しみ合いながら、お互いの中へ深くは踏み込んで行く人は無いので、平凡ながら、おだやか過ぎる程におだやかな暮しだ。
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些細なことでも気にする性質ですから。何も自分の受けた不愉快な気持ちをわざわざ彼女に与えなくてもと。でも話したんですよ、寝る前に。
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四五人で食事をしたあと、客室でのんきにおもしろく話をしていると、突然頭の上でギアーギアーギアーギアーと四つ続けて妙な声がした。ちょうど鶏の咽喉でもしめられているかというような不愉快な声がした。それから同じ声で何かしら続けて物を言っているようであったが、何を言っているか自分にはわからないので同行者に聞いてみると「JOAK、こちらは東京放送局であります」と言ったのだそうである。
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けれども彼は細君がこの赤ん坊のために夜中何度となく眼を覚ますのを知っていた。大事な睡眠を犠牲にして、少しも不愉快な顔を見せないのも承知していた。彼は子供に対する母親の愛情が父親のそれに比べてどの位強いかの疑問にさえ逢着した。
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