上前をはねる
18 の例文
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大隈弁護士は考え込んでしまった。仲介料をとっていないと言ったが、上前をはねていることは確かだった。いつもの例なら同額か、ときには倍以上はねている。
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だが、それでは、今日さまにすむまいぞ。勝手な言いわけをつけてみたところで、結局は盗人の上前をはねることだ。今日さまは見通しだ。
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彼も無欲な男ではない。兵士たちに王子たちの死体をさがさせ、上前をはねるつもりなのである。万が一、あの危険な剣士が生きていて、それと対決せねばならないとしたら、金貨どころではない。
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あるとき、私は知人を介して韓国人のブローカーに会うチャンスを得た。その男は長いあいだ、韓国と日本を往復しては女たちの上前をはねて来たベテランである。すでに韓国にビルや土地などの財産を所有する成功者なのだが、まだまだこの仕事は続けていくと言う。
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その上前をはねたのではあるまいか、と疑う者もすくなくはない。
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金では取れないと見ると帳場は立毛の中に押収してしまう。従って市街地の商人からは眼の飛び出るような上前をはねられて食代を買わねばならぬ。だから今度地主が来たら一同で是非とも小作料の値下を要求するのだ。
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こういうのって、汚いよネ。わたしから見れば、原稿料の上前をはねられたとしか思えない。だって、社長は何もしてないじゃないか。
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もっとも、点数稼ぎの目論見まではうまくいかなかった。この連中に上前をはねられた形になっている。とはいえ、連中もこれがなんなのか、正確には教えられていないだろう。
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徹が回復するには、義歯と二週間の流動食と一月半の静養を要した。陳は警視庁に探りを入れた結果、上前をはねた若僧が偽刑事だと気づいた。それでマニラのリーガン親分に電話をかけ、隠語で話を交わし、指示を仰いだ。
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世の中には色々な職業がある。肉をひさぎ、貞操を売って生活してゆく女があるかと思うとそういう女の上前をはねてくらしてゆく奴もある。泥棒が悪いというなら、泥棒に凶器を売る銃器店や、金物屋もわるいことになる。
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それで人の上前をはねやがるんだからな。で、いってえどうしたっていうんだ?
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ただし、二兄が直接、人物を見込んで頼んだとは考えにくい。家宰か取り巻きのだれかに命じたのだろうし、その連中にしても金銭の上前をはねて誰かに任せた方が楽だ。そうやって丸投げをくりかえしていけばそのたびに金銭は減っていき、雇える人数や資質も落ちるという道理だ。
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誰でも人に好かれたいものだから、こういう政江のやり方は、容易に実行出来るものではない。夫の義弟達の上前をはねて憎まれるのも皆夫の為を想うからだ、と堅く腹をくゝっていたなればこそではないか。こういう政江を権右衛門は多としていた。
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デルマリナでは有名な「ゴランの息子たち」も、ピアズ・ダイクンに雇われているかれらにとっては、単なる卑しい海賊ふぜいにすぎない。上前をはねているといっても、この荷はもともとピアズ・ダイクンの船から強奪したものだ。「ゴランの息子たち」は何回かに一度はピアズの船を襲い、奪い取った品はこうして、指定された場所で返却することになっていた。
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公称は一万部でも実売は三千部、そんな業界誌で親子三人が安穏と暮らせるほど、日本の経済も寛容ではない。情報の横流しもやるし、土地転がしの上前をはねることもある。バブルのころは公言できないほどの裏金もころがり込んだ。
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もったいぶっているというのではなく、はした金の上前をはねるところを見聞きされたくないのだろう。「阿基」陳が姿を消すと王華が口を開いた。
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が、彼女たちが目的とするのはチップより、愛人からの手当てであり、また売春婦による一晩一五万ウォンほどのお金である。だから彼女たちはホステスというよりは、上前をはねられることのない、よりよい売春の機会を獲得する手段としてホステスをやる女たちといった方がよい。その意味では彼女たちは、店に雇われた労働者ではなく、店を営業の場とする独立の自営業者なのである。
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