三昧耶戒
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あまり意識されてはいないが、三昧耶戒は密教の戒律であると同時に、歴史上の釈尊の教えに基づき段階的に発展した戒律であり、通戒や菩薩戒の上に成り立つもので、両者を遵守しなければ三昧耶戒の条項に違反しなくても、三昧耶戒を得たことにはならない。それ故、正式な灌頂の儀式では、儀式の中で順番に通戒と菩薩戒、三昧耶戒の全てを授けるようになっている。ただし、現在の日本密教の灌頂次第では、灌頂の導師が戒律を伝えていないこともあり、一般の葬式と同様に時間短縮のためにも通戒と菩薩戒や、三昧耶戒を授けるのを省略して灌頂の儀式を行うこともある。
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なお、灌頂を授かったならば、この戒律についても必ず師僧より詳しい解説と「口伝」を受ける必要がある。戒律の内容は『五智如来の三昧耶戒』と『三誓願』の二つからなり、その内容は以下のようになる。この戒律は『大日経』に説く、密教の「十善戒」が発展して出来た戒律である。
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性行為は初期仏教以来の戒律と真っ向から衝突するため、僧院においてはあくまでも観想として、身体・思考操作を駆使してその状態を再現するという、伝統の立場に立つ無上瑜伽タントラの各種の三昧耶戒に基づく解釈・試行がなされた。
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ニンマ派やサキャ派、カギュ派等の三大宗派もこれに倣って僧院を中心とする組織化を充実させることに成功し、現在に至る。密教経典を学ぶ際は灌頂を正しく受けるべきだとされるが、特に無上瑜伽タントラの場合は、灌頂と密教の三昧耶戒を含む種々の戒律を受けずに学ぶことは極めて危険とされる。ツォンカパは灌頂なしで無上瑜伽タントラを行っても無意味とし、灌頂をせずに学ばせたラマと弟子は必ず地獄に堕ちると警告している。
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ただし、現在では『ゾクチェン』の教えと共に、カギュ派やサキャ派、中国密教にも伝えられ、今も伝承されている。数ある三昧耶戒の中で、最も無上瑜伽タントラの特色を表している戒律であり、伝授の際には師僧から特に慎重に解説と「口伝」を受ける必要がある。また、その際における「口伝」はニンマ派でも参加人数を限定した高度な内容を伴うものであり、その教えを中断してはならないとされている。
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日本では、鎌倉時代に鑑真和上以来の南都六宗の戒律や、弘法大師空海が請来した密教の三昧耶戒の戒脈が途絶えたが、興正菩薩叡尊に端を発する江戸時代の「戒律復興運動」によって出家戒や三昧耶戒が一時期復活した。しかし、廃仏毀釈や世界大戦以降、再び戒律が途絶えてしまっているので、戒律の中でも三昧耶戒についての詳しい理解が遅れている。
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あまり意識されてはいないが、三昧耶戒は密教の戒律であると同時に、歴史上の釈尊の教えに基づき段階的に発展した戒律であり、通戒や菩薩戒の上に成り立つもので、両者を遵守しなければ三昧耶戒の条項に違反しなくても、三昧耶戒を得たことにはならない。それ故、正式な灌頂の儀式では、儀式の中で順番に通戒と菩薩戒、三昧耶戒の全てを授けるようになっている。
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三昧耶戒とは、仏教の教えの一つである「後期大乗仏教」に分類される密教において、その教えを学ぶ前に結縁や許可を目的とする灌頂の儀式を通じて、これから密教を学ぶための資格と義務として、信者や僧侶・瑜伽行者らに与えられる「密教独自の戒律」を指して言う。三昧耶とはサンスクリット語で「約束」や「契約」を意味し、三昧耶戒は「約束に基づく戒め」、あるいは「密教における誓約」というような意味になる。
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善女龍王は密教を守護していた中国・青龍寺に飛来して同寺の鎮守「清龍」となった。後年、弘法大師空海が青龍寺を訪れ仏法を学んだ際、三昧耶戒を授けてほしいと懇請したが許されなかった。空海が帰国する際に船中に現れて密教を守護することを誓ったため、京都洛西の高雄山麓に勧請された。
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それ故に、「十四の根本である地獄に堕ちる罪」という名前が付けられている。この『八支粗罪戒』は、先の『十四根本堕』よりも更に具代的に密教の「三昧耶戒」について述べたものである。また、当然のように『八支粗罪戒』にも詳しい解説と「口伝」とがあり、1・3・4番目の三条が中心の戒律となる。
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それ故、正式な灌頂の儀式では、儀式の中で順番に通戒と菩薩戒、三昧耶戒の全てを授けるようになっている。ただし、現在の日本密教の灌頂次第では、灌頂の導師が戒律を伝えていないこともあり、一般の葬式と同様に時間短縮のためにも通戒と菩薩戒や、三昧耶戒を授けるのを省略して灌頂の儀式を行うこともある。
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長崎の出島において、中国僧より直接、当時の中国密教と戒律等の伝授を受け、その生涯を通じて本尊とした準提仏母の信仰を広めると共に、御霊の供養と飢饉救済を目的とした仏塔の建立に勤め、大小あわせて約八万四千の仏塔を建立したと伝えられる。また、自身が戒律を守ることに専一なだけでなく、天台宗において史上初の出来事として、中国密教に基づいた具足戒・菩薩戒・三昧耶戒を網羅した体系的な戒律をもたらし、江戸時代の『戒律復興運動』に貢献した。僧俗にも戒律と灌頂を授け、各寺院において「懺法」を実施した。
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密教における四重禁戒は、三昧耶戒における『十四根本堕』の根本的な四つの戒律をいう。現在の日本では、正規の出家者としての戒律を守る習慣が途絶えてしまっているので、『大日経』等を依拠とした「四重禁戒」を採用し、また、三昧耶戒を戒体としている。
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それゆえ日本における既成の伝統宗派に僧伽は存在しない。しかしながら現状を肯定する新しい解釈によって、職業として儀式のみを行い、三帰依戒や具足戒、菩薩戒、三昧耶戒等の正式な戒律を一切持たない、伝統の宗派におけるこれらの僧職者と檀信徒のみで構成される「在家教団」を僧伽と見做すべきであるという意見もある。中国、日本、台湾、朝鮮等の仏教において、歴史的に広く用いられてきた律である。
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出家者に対しては次の4か条が禁止されている。密教における四重禁戒は、三昧耶戒における『十四根本堕』の根本的な四つの戒律をいう。現在の日本では、正規の出家者としての戒律を守る習慣が途絶えてしまっているので、『大日経』等を依拠とした「四重禁戒」を採用し、また、三昧耶戒を戒体としている。
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三昧耶とはサンスクリット語で「約束」や「契約」を意味し、三昧耶戒は「約束に基づく戒め」、あるいは「密教における誓約」というような意味になる。いわゆる仏教の戒律には、歴史的な流れに沿って段階的に声聞乗の戒律、大乗の戒律、密教の戒律があり、このうち、密教だけに存在する戒律のことを『三昧耶戒』という。主要な項目は以下のようになる。
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日本で阿闍梨と呼ばれる僧には歴史上以下のものがある。ここでいう『阿闍梨戒』は三昧耶戒の一つであり、文字通り阿闍梨灌頂の際に授かる、密教を伝授する資格を伴う戒律のことを指す。
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