一見識

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  • 父は父として一見識を持った漱石論を発表している。 秋山加代『辛夷の花──父 小泉信三の思い出──』より引用
  • デザインの方は一見識あると思うが、絵となるとジャンルが異なる気がして、とても思っていても口にはしないと思ったのだが。 梶尾真治『精霊探偵』より引用
  • 斯様かような事業は必ず失敗なりと断言してはばからないところも、また一見識だと思いました。 中里介山『大菩薩峠』より引用
  • 一回ごとに、作者の感想と思われる一見識が披瀝されている。 宮本百合子『婦人と文学』より引用
  • もとより余技に描いたのであるが、その画は、卓抜した一見識のあるものである。 吉川英治『随筆 宮本武蔵』より引用
  • 生憎な次第であるが、私は、これも一見識だと思つた。 岸田国士『続言葉言葉言葉(その二)』より引用
  • その人の平常の心掛けもしのばれて、一見識ある言葉と思つた。 島崎藤村『桃の雫』より引用
  • 氏自身、芸術鑑賞上一見識を持ってい、芸術愛好者としての純粋な亢奮が伴うのであったらしい。 宮本百合子『狭い一側面』より引用
  • つまり現代でいえば、小規模にまず二車線の道を作るより、はじめから四車線の道を作らせるようなもので、これもまた一見識にはちがいない。 山田風太郎『幻燈辻馬車(下)』より引用
  • 一蝶や其角きかくは取り巻とはいっても一見識備えた連中だけに、民部や半兵衛が周章あわてるようには二人は周章てはしなかった。 国枝史郎『紅白縮緬組』より引用
  • それも一見識だろうが、これだけの電車があれば、自動車のうるさいドラィヴィングなどはない方がよいにきまっている。 野上豊一郎『吹雪のユンクフラウ』より引用
  • こういう話の残っているのをみても、武蔵が鑑刀かんとうにも一見識を持っていたことが分るし、殊に刀剣は身につける物のうちの何物よりも、愛しもしたろうし、潔癖にそれを選んで私用としたに違いない。 吉川英治『随筆 宮本武蔵』より引用
  • すると、わきの方で、奥さんの意見も聞いてみようよ、一見識ある奥さんだということだからと、聞えよがしに囁いてる声がしました。 豊島与志雄『白い朝』より引用
  • お銀はもとより取るに足らぬ女ではありますが、長い間この稼業をやっているだけあって、一見識持っていることは争えませんから、万造は何となく不安になって参りました。 横溝正史『蔵の中・鬼火』より引用
  • 彼は目録學にも一見識をもち、國史經籍志を書き、これは古く日本でも飜刻せられた。 内藤湖南『支那史学史概要』より引用
  • またステッキも、あれを振り廻して歩くと何だか一見識があるように見えて、悪くないものであるが、私は人より少し背が高いので、どのステッキも、私には短かすぎる。 太宰治『服装に就いて』より引用
  • やっぱり一見識持った人はちがったものだとうれしがるやつもでてきて、いつのまにやらきつねのあだ名も、きつねを飼っているところから出たものであろうと勘ちがいするそそっかしいのもでてくるしまつ。 横溝正史『人形佐七捕物帳 16』より引用
  • 彼が兵法にも一見識をもっていたことは、日本城郭史に一新紀元を劃する天守閣を創造したことでも知れる。 山田風太郎『忍法帖3 伊賀忍法帖』より引用
  • ところが、鶴富組の主人は、一風変った一見識あり、タクシーの案内係の制服のまま見合いに出て来たという点が何よりまず気に入った。 織田作之助『わが町』より引用
  • また一茶の特色を、滑稽と、軽妙と、慈愛との、三つに分けた人もあります、慈愛を加えたのが一見識でございましょう。 中里介山『大菩薩峠』より引用
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