一見いかにも

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  • 一見いかにも無邪気そうな彼女たちの心の内には、実際のところどのような風景が広がっているのか。 綾辻行人『暗黒館の殺人(上)改訂06 02 08』より引用
  • 特にそう思ったのは、一見いかにもそういうものを身につけて似合いそうなタイプだったからだ。 森瑤子『彼と彼女』より引用
  • けさこの恐ろしい事件を発見したのはこの女なのだが、一見いかにも正直そうな五十くらいの中婆あさんである。 横溝正史『金田一耕助ファイル17 仮面舞踏会』より引用
  • マルチアルが何も気づかず、何ひとつ疑いさえしなかったとは、一見いかにも不思議に見えるかも知れない。 ガボリオ/松村喜雄訳『ルコック探偵(下)』より引用
  • 一見いかにも真剣そうなそぶりだったが、内心ではこの革命騒ぎを、ひとつのスリリングな芝居として眺めている風であった。 モーム/篠原慎訳『諜報員アシェンデン』より引用
  • このことは、自然かれをいくらか饒舌じょうぜつにし、一見いかにも快活らしく見せた。 下村湖人『次郎物語』より引用
  • この一味の名称は一見いかにも階級的で、五ヵ年計画の課題にこたえているようだ。 宮本百合子『ソヴェト文壇の現状』より引用
  • そうして、一見いかにも女に親切そうに見えるのである。 山口瞳『江分利満氏の華麗な生活』より引用
  • 一見いかにも楽しそうに学校へ走っていくが、あの校門の向こう側があいつにとって そんなに楽しい場所であるわけがない。 山下卓『BLOODLINK 第01巻』より引用
  • 彼女と警備主任は一見いかにも親密な協力関係にあるようだが、見掛けほどにはしっくりいっていないのかもしれない。 安部公房『密会』より引用
  • この理屈は一見いかにも正しいように見えたので、とうとうマチルドはすっかり逆上してしまった。 スタンダール/大久保和郎訳『赤と黒(下)』より引用
  • 一度アシェンデンは、伯が旧市街の人気ひとけのない街角で、一見いかにもスパイらしい男に話しかけているのを見たことがある。 モーム/篠原慎訳『諜報員アシェンデン』より引用
  • どんなに頭がよくても、十やそこらで、修道院全体の、しかも一見いかにももっともなお世辞をいわれたら、これに乗せられずにはいられない。 スタンダール『赤と黒』より引用
  • この仕事は一見いかにも手荒いものなので、フランスとエルヴェシーとの国境となっているこの山岳地帯にはじめて足を踏み入れた旅行者たちの度肝どぎもを抜くものの一つに数えられる。 スタンダール/大久保和郎訳『赤と黒(上)』より引用
  • 私の母を盗んだ話をしてきかせても、三十以上も年齢差のある、一見いかにも老いさらばえた新吉に、危険を実感しないのである。 森村誠一『自選恐怖小説集 人間溶解』より引用
  • ところが社会学者は、一見いかにも生活の戦場からまったく離れて、書斎のなかで成立するような労作をも、それを超えたより包括的な体験関連の部分としてしめすという逆の見方にひきつけられる。 マンハイム/森博(訳)『保守主義的思考』より引用
  • 一見いかにも漠然としていて、どうしようもないほどにつかみどころのなかったわたしの仕事が、セント・ジョンの話を聞いているうちに、すこしずつ固まりかけ、その手でうまく格好をつけられて、明確な形を取りはじめている。 シャーロット・ブロンテ/大井浩二訳『ジェイン・エア(下)』より引用
  • ただ、数千年間にわたる文化的な分岐が、一見いかにも越えがたく見える深い亀裂を形造かたちづくっていたのだ。 ロッデンベリイ『スター・トレック2/カーンの逆襲』より引用
  • それへ向けられた鉄扇は、一見いかにも弱々しく、そうして周作の表情には、鋭さを示す何物もなかった。 国枝史郎『名人地獄』より引用
  • 一見いかにものんきな、目的もない質問をしているうちに、ぼくはおしゃべりの下宿のおかみさんから、その若い女性の寝室が、仕切り壁をあいだにはさんで、ぼくの寝室と隣り合っているのを知ったんだ。 ビアス『ビアス怪異譚(2)』より引用
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