一笑に付す
全て
名詞
51 の例文
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経済先憂会でちよつと問題になつたことは明らかだが、知つての通りその理事は親しらずで入院し、退院するとすぐ末の息子が麻薬でつかまりさうになつて、社説どころではなくなつた。そして三団体のほかの理事のなかには、彼の憤激ぶりを一笑に付す者がゐた。宗教団体のほうもだいぶ当つて見たが、黒ではないらしい。
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もっとも、よしんば私が喫煙者だったとしても、その香りを楽しむ気分にはなれなかったことだろう。彼の声はあまりに重たげで、私はそれを一笑に付すことがどうしてもできなかった。ネットが発達した今日、つい最近になって、私はその『超早熟なアラスカの天才児』について調べてみた。
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日本語だ、彼らにわかるわけもない。だが、もしイタリア語だったとしても、誰もが一笑に付す話だろう。泥酔者呼ばわりされてからかわれるのがオチかもしれない。
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ただ、大海人はむしろ新羅と手を組んだ方がいいと思っていた。中大兄は、新羅は唐の手先ではないかと、そんな考えを一笑に付すだろう。確かに、新羅は唐と手を組み、いま百済を滅ぼそうとしている。
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だが、処女膜信仰などというものとは無縁の考え方をしていた私としては、一笑に付す話だった。「だいたいね」と私は言ったものだ。
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人間にはどう見ても卑怯と思われるやり方が堂々とまかり通っていることもある。中にはそういう動物たちを「レベルの低い連中だから、事の善悪がわからないのさ」と言って一笑に付す人もあるだろう。しかし、そもそも善悪とは何だろう。
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けれども今度の工場長はそれを一笑に付すのだった。
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「その事情を聞かせて下さい」 と私は言った。神崎の言葉を、なぜか一笑に付す気にはなれなかった。
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夏美の予想ははずれた。彼女は、賢一が「まさかそんなことはないだろう」と、一笑に付すような態度に出ると予想していたのだ。
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もし彼が悪魔に負け、愚かな愛に取り付かれたらすぐにここから連れ出すと。娼婦相手に本気になるはずがないとホフマンは一笑に付す。ダペルトゥットはホフマンたちの挑戦を受けてたつべく、以前にシュレミールの影をジュリエッタに盗ませたように、手のダイヤを使って彼女にホフマンを誘惑させることを決心する。
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何か惨事が起こりかけているのはまちがいないのに、それをどう説明したらよいか分からない。ふだんは予感など一笑に付すスポックだが、不思議なことに今度だけはなぜかそんな気になれない。カークはひどくいらいらしたように溜息をもらした。
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信長の常識を超えた決意、不退転の決断を相手に覚らせることは難中の難事である。既得権にしがみつく僧侶は、あり得ることかと一笑に付すであろう。どう説いて覚らせるか。
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不思議なもの、美しいもの、恐ろしいもの、この世のものでない何かを空想せずにはいられない。そういう意味ではフレデリックは、語り継がれるあらゆる不可思議に興味を持っていたし、妖精を見たという他人の話を一笑に付すような人物ではなかった。しかし、自身がそういった、不可思議な領域に踏み込むことになるとは、夢にも考えていなかったのだ。
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シャープレスは優しい心の男であり、ゴローが紹介した少女がこの結婚が永久の縁と堅く信じていることを思い出し、戸惑う。だがピンカートンは、この結婚も一時の愛だとシャープレスの危惧を一笑に付すのであった。そこへ蝶々さんが芸者仲間とともに現れる。
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そしてそれはボーセアン夫人その人であった。女友達のいくたりかが、それとなくこの話をしかけても、夫人は一笑に付すばかりだった。嫉ましいこっちの幸福に、友達が水をさそうとしていると、思い込んでいたからで。
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彼の考え方は単なる空想として一笑に付すわけにはゆかぬ説得力があり、話を聞いているうちに、丹那自身がなかばその気になっていた。
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ウソだと一笑に付す気にはなれなかった。ジャックの顔が脳裏をよぎる。
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