一層切実

25 の用例 (0.00 秒)
  • 勿論もちろん自分が引合に出されている時には、一層切実に感ずるには違ない。 森鴎外『あそび』より引用
  • かくの如き疑いは、子供の姿を見て、一層切実なるものがあることを感ずる。 小川未明『人間否定か社会肯定か』より引用
  • あの芝居には何の深い意味はなく、ただ私の批評の言葉を一層切実ならしめるためだったのです。 小酒井不木『外務大臣の死』より引用
  • ランボーの謎よりはロートレアモンの謎の方が私にとって一層切実だったためなのか。 福永武彦『第五随筆集 書物の心』より引用
  • そうした感慨は、島影がひとつもないので、一層切実に伝わってくる。 帚木蓬生『受精』より引用
  • 死骸を棺にをさめる時、部屋の雰囲気ふんゐきが又一層切実になつて来た。 徳田秋声『町の踊り場』より引用
  • この期待は、今夜のような伸子の感情に一層切実だった。 宮本百合子『道標』より引用
  • 私は家出したという安見子の行方のことをあれこれと考え、自分の決意についても一層切実に考えた。 福永武彦『海市』より引用
  • この頃は少し頭の疲れもしずまって来て、注意もやや集注するようになったので、眼のおくれは一層切実に感じられることとなりました。 宮本百合子『獄中への手紙』より引用
  • それはわたしも無念でしたが、なお無念だったのは、わたしにとって、そのとき妻がなにをどう考えたかということよりも、なにをいかに感覚したかということの方が一層切実だったことです。 三浦哲郎『忍ぶ川 他』より引用
  • 伸子とすれば、このことで、一層切実に外国へもゆく気になっている自分のこころの状態を思いしらされるようだった。 宮本百合子『二つの庭』より引用
  • 仏者の迷いだけに、現実にかえった瞬間の沢庵の気持は、一層切実なるものがあったであろう。 吉川英治『随筆 宮本武蔵』より引用
  • 時代に即応した新しい様式の創造ヽヽヽヽヽヽヽヽよりも、この対立をいかに解決するか、あるいはこの対立のなかでいかに自らを保持して行くか、という問題の方が、一層切実な関心事となったように見える。 和辻哲郎『埋もれた日本』より引用
  • この問いは、田村俊子という一人の婦人作家をチャンピオンとした明治四十年代という時代に向って、一層切実にかけられる質問でもある。 宮本百合子『婦人と文学』より引用
  • しかし〈ブリタニア〉の話の後で、エアトン自身の話は一層切実な興味をひくものだったはずだ。 ヴェルヌ/大久保和郎訳『グラント船長の子供たち(中) 地の果ての燈台』より引用
  • 明日をよく迎えたい心は、今日の生活を一層切実に愛し、そこから学べるだけのものを隈なくとって、明日へつづく自分たちの二度とはない生命を花咲かせたい願いをもたせる。 宮本百合子『あとがき(『明日への精神』)』より引用
  • 親とも頼む岡本部隊をなくして、いわば戦場の孤児のような心境でいた為に、一層切実な気持ちも働いたものでしょう。 五味川純平『ノモンハン(下)』より引用
  • ところが今日のわたしたちの一方の耳からは絶えずソヴェトに対する中傷や事実の不明な流説がつぎこまれるためにソヴェト社会の実際をありのままに知りたいという気持は一層切実な要求となっている。 宮本百合子『あとがき(『モスクワ印象記』)』より引用
  • 問題は常に、森有正というこの一人の人間が、彼自身の魂を求めてさ迷い行く過程であり、ただ彼がパリの客舎にあるという異常な環境によって、その孤独を一層切実にさせ、その感覚を一層鋭くさせているにすぎない。 福永武彦『第五随筆集 書物の心』より引用
  • しかし、一層切実かつ重大なのは、おそらく次の第三の要素、追いつめられた主人公のうちに生じた信仰上の悩み、懐疑を、どうやら作者自身も底深く共有しているということであろう。 遠藤周作『沈黙』より引用
  • 次へ »