一夜を過す

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  • 九月十六日といえば、中村たちが憲兵隊本部で一夜を過した日付である。 角田房子『甘粕大尉 ―増補改訂』より引用
  • 岡谷のアパートで一夜を過して以来、初めて、といってもいいだろう。 赤川次郎『プロメテウスの乙女』より引用
  • 私は京都へ行くと必ず、福武と井上に連絡して、歓談の一夜を過した。 石川達三『心に残る人々』より引用
  • 広い庭に囲まれた部屋で一夜を過すのもいいが、ホテルのような密閉された感じはない。 渡辺淳一『ひとひらの雪(上)』より引用
  • ウトウトしながらも、二時三時と一つも聞き洩さずに一夜を過した。 大下藤次郎『白峰の麓』より引用
  • 八日目は笠岡かさおかで一泊し、九日目は海が穏やかだったので因島いんのしまで一夜を過した。 黒岩重吾『白鳥の王子 ヤマトタケル 2 西戦の巻(上)』より引用
  • 無難に車の中で一夜を過すべき場所を探して走りまわっている内に、彼はもう一度上野駅に戻ってみたくなりはじめていたのだ。 半村良『幻視街』より引用
  • 別室の籐の寝椅子には陳独秀が彫像のように一夜を過した姿があった。 吉行エイスケ『地図に出てくる男女』より引用
  • そして改めて浅右衛門は歓喜のさかずきを重ね、女と忘我の一夜を過したのである。 山田風太郎『警視庁草紙(下)』より引用
  • 濃厚な一夜を過して、翌朝るいが鏡台にむかっている間に、東吾は庭に出た。 平岩弓枝『御宿かわせみ 14 神かくし』より引用
  • つまり大内の自供が本当だとすると、彼は死体と背中合わせで一夜を過したことになる。 平岩弓枝『女の四季』より引用
  • 私はその夜例の観法に一夜を過しましたが、その翌日十時頃に私と別れて居った同行の人たちが参りました。 河口慧海『チベット旅行記』より引用
  • この同じ車室の中で二人っきりで一夜を過したことを、皆さんにはっきり承知していただきたかったのよ。 モーパッサン/新庄嘉章『ある女の告白』より引用
  • ともあれ、彼はその女性と一夜を過し、それをすばらしいと思った。 北杜夫『怪盗ジバコ』より引用
  • そして二人でもう一度海峡の向うの町の料理屋で底抜けに酒を飲み、一夜を過すようなことももう出来ないのだという寂しさを感ずることを私は自分に許した。 島尾敏雄『出孤島記』より引用
  • けれど、一夜を過して、そのために、彼の心の奥のものが、何かの変化を来たしていたろうかといえば、それは少しも変っていなかった。 吉川英治『新書太閤記(七)』より引用
  • 以前三宅ノ清忠の帰国を河陽かやまで送った時に一夜を過したあの家と、どことなく似た感じがある。 海音寺潮五郎『平将門 中巻』より引用
  • それにしてもどこで一夜を過したらいいだろう。 柏原兵三『徳山道助の帰郷』より引用
  • そこにはもう、何も彼も忘れて、子供をからかえる素朴な母になって、春の一夜を過したいかの女が在るばかりだった。 岡本かの子『母子叙情』より引用
  • これがふだんの時であったら、彼も自分の宿に眠って安らかに今夜一夜をすごすことが出来たかも知れないが、祇園の酒も今夜かぎりだと思うと、半九郎はとても落ち着いていられなかった。 岡本綺堂『鳥辺山心中』より引用