一しお

全て 副詞
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  • これらの点も孔明の惨心さんしんを一しお深刻ならしめているものであった。 吉川英治『三国志』より引用
  • 水に一しお柔かな緑が、朝子の活字ばかり見ていた眼に、休安を与える。 宮本百合子『一本の花』より引用
  • 我方の損害も相当ありという発表だから激戦の模様が一しお思いやられる。 伊藤整『太平洋戦争日記(三)』より引用
  • 不憫ふびんな娘だけに一しおこの気持ちが強かったことも確かであろう。 阿刀田高『仮面の女』より引用
  • 秀吉の親としての気持も、信長の死後はひとしおいじらしさといつくしみを加えていた。 吉川英治『新書太閤記(八)』より引用
  • しかもそれが戦捷の年であるだけに、私たちにはまたひとしおの寂しさが感ぜられた。 岡本綺堂『正月の思い出』より引用
  • 明々とした光や騒音に馴れたあとなので、彼らにはその庭が一しお暗く静かなように思われた。 チェーホフ・アントン『接吻』より引用
  • 然しなずかしき故郷ふるさとの事が今日は一しお恋しくなずかしく思われます。 徳冨蘆花『みみずのたはこと』より引用
  • 一人息子だったので、父王の憂いも一しおであった。 マルコ・ポーロ/青木富太郎訳『東方見聞録』より引用
  • 彼は、自分の任務の重いことをひとしお感じた。 吉川英治『新書太閤記(四)』より引用
  • 其音につれて一しお深くなったように思われた。 永井荷風『濹東綺譚』より引用
  • それだけにまた一しお、この耳とそして手の感触をありがたいものに思うのである。 宮城道雄『音の世界に生きる』より引用
  • 前の年よりも一しお厳しい、一しお身にみる寒さが、絶えず彼女を悩ました。 モーパッサン・ギ・ド『初雪』より引用
  • それにしても、生活というものは何と味いつきぬものでしょう、この頃又一しおそう感じて居ます。 宮本百合子『獄中への手紙』より引用
  • でも私はなかなかどっさりのことを学び、一しお自分は勤勉に躾けようと思います。 宮本百合子『獄中への手紙』より引用
  • あの子はそうして休むと又一しお泳ぐ面白さにひき入れられた風で一層ふかく身をおどらして行ったことね。 宮本百合子『獄中への手紙』より引用
  • 桔梗ききょう女郎花おみなえしの一面に咲いている原で一しおさびしく思いました。 太宰治『散華』より引用
  • 爽かな空気の中で、高い菩提樹の蔭に包まれた彼女の顔は、一しお愛くるしく思われた。 ツルゲーネフ/米川正夫訳『片恋・ファウスト』より引用
  • そこから廊下を吹きぬける風がいかにも颯爽としているので、ひとしお日光の中に秋を感じる、そんな気持だ。 宮本百合子『一本の花』より引用
  • それだけでも有田のおきてを破ったことになるし、まして加賀藩の密偵みつていの子とあっては一しおである。 平岩弓枝『ちっちゃなかみさん』より引用
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