リンキン
全て
名詞
18 の例文
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だが、もうしばらく待っているのである。彼は包み紙の中でべたべたになる林檎糖のように汗をかいているからだ。そうこうするうちに、兄貴のフェリックスは、もう川を占領し、わがもの顔に荒しまわっている。
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王子は誰にも気づかれません。お姫さまがまえに出てきて、騎士たちのあいだに金の林檎を投げました。その金の林檎は、王子のほか誰にも取れませんでした。
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一人の紳士など顔先へ林檎の袋を突きつけられてビックリしてゐました。
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これこそ勤め人の持つあの幸福、その全生活が小さな片すみにおさまっている、あのあわれな小さくなった人間のみしか知らない獄中のよろこびなのだ。「林檎を買うことを忘れてはならん」と男はときどきひとりごとを言う。そして口笛を吹き、足をはやめる。
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といっても、公式のスタイルで処刑するのではなく、鞍の上から切り倒すのだ。ふたたび月が満ちて満月に近くなり、緑色の林檎のように空にかかった。経験豊かな隊員が、最悪の戦闘はいつも満月か、その近くにやってくると教えてくれた。
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これほどまでに見事な林檎をいま自分は初めて見る、と十歳の僕は思った。そのときのことをいまでも僕は記憶している。
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白っぽい黄であるはずの実の内側は、やはりワインを吸って丁度人肌のような色に変わっていた。葉介は二つに切った林檎をまた二つに切り、それを神経質に五等分した。切る度に薄い湯気と、例の甘酸っぱい匂いが立ち登ってくる。
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今日は僕たちふたりの誕生日だ。かつての林檎のプレゼントについて、僕はさきほどから思い出している。あの誕生日から今回にいたるまで、何年が経過したのだろうかと僕は思っている。
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始めは林檎ほどな大きさのものがだんだん小さくなって苺ほどになります。それでも根気よくやっていると大豆ほどになります。
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紙を破って蓋を開き、なかの林檎を取り出すのは、明日の姉なのだ。そして次の日、林檎の入ったその箱を、僕は姉のいる家まで持っていった。姉は外出していた。
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がその時、彼の頭の中に今までまはつてゐたフイルムが突然ぴたりと停止した。そこにはまだ二十前の、林檎のやうな頬をした少年の顔が浮んでゐた。辻一作、とこの男は自分を呼んでゐるが、本名は大林一作で、清作の弟である。
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いくら眺めても信じることが出来ないような、完璧な林檎のかたちをした重さだ。姉の誕生日のプレゼントはこの林檎をおいてほかにない、と僕は思った。だから僕は店主に値段を訊いた。
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父が食後の林檎の皮を剥いてゐるのに、三千代はまだ箸を動かしてゐた。夜もよく眠れた。
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南の空には昨夜と同様に青白い巨大な満月が浮かんでいた。雷太とモモ太は村に続く道に出るため広大な林檎畑を東に向かって歩いた。
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信子は老婆の病室に入った。先ほど近所で買ってきた林檎を三つ、ベッドの横の台の上に並べた。「お婆ちゃま、いま、これを買ってきましたよ」 老婆は、繃帯の顔の中からうすい眼を開いた。
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木の上に、林檎の実ひとつなくなるまで、娘はゆすぶりました。落ちた林檎を山に積みあげてから、娘はまた先へと歩いていきました。とうとう、小さな一軒家のところにきました。
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林檎は軒先に近くて、その葉の影が部屋から外部を静かにして見せた。お雪は乳呑児を抱いて来た。
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