ミッタラッシャネェ
全て
名詞
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その時分のことだから、みんながみんな軍国少年であったのだが、それでも近所には不良少年を気取るこわい中学生が何人かいて、彼らのスタイルはといえば、戦闘帽を中折状にくっつけてかぶり、ゲートル巻いたズボンの裾をたっぷりとかぶせかげんにして、腰には手拭をどういうわけか三角折りにしてさげるのだ。下校途中にある球突き屋から、気取った調子で、 「ミッタラッシャネェ」 とか、 「ハッタァスゾ」 などといいながら出てくると、こころなし視線をさけて、そそくさと足をはやめるのが常であった。彼らの口にする、「ミッタラッシャネェ」というのが、「みっともなくてしょうがない」、「ハッタァスゾ」が「はり倒すぞ」のことで、清水金一がひろめた流行語であることも知っていた。
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下校途中にある球突き屋から、気取った調子で、 「ミッタラッシャネェ」 とか、 「ハッタァスゾ」 などといいながら出てくると、こころなし視線をさけて、そそくさと足をはやめるのが常であった。彼らの口にする、「ミッタラッシャネェ」というのが、「みっともなくてしょうがない」、「ハッタァスゾ」が「はり倒すぞ」のことで、清水金一がひろめた流行語であることも知っていた。それだけ知っていながら、シミキンの実際の舞台にふれる機会はなかった。
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