ビクともせず
18 の例文
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「ひと思いに殺してやりゃ、あんなに苦しんだり、リューマチになやまされたりせんですむだろうにな」父はこっそりジターノのほうを見やり、やっこさんがこのあてこすりに気がついたかどうかたしかめようとした。ところが、大きな骨ばった手はビクともせず、黒ずんだ目は老馬から離れもしなかった。「年をとったもんは、早く不幸から救い出してやったほうがいいんだ」とジョーディーの父は言葉をつづけた。
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私の武器は真理であり、真実だ。私には精一杯やるという気はあるが、それにビクともせず圧殺されてしまったことが口惜しくてみじめであった。また私は極く自然な気持で機動隊に投石しようという気になった。
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まず、お節の方が、さきに忍び出ようとして、襖戸へ手をかけた。するりと開くはずの襖戸が、どうしたことか、ビクともせぬ。「開かぬぞえ」 お節の方が、驚愕して、了白に、救いをもとめた。
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しかし「強者と戦いたい」というベジータのサイヤ人気質を利用し、18号を吸収して完全体となることに成功。怒ったクリリンの蹴りにビクともせず、逆にその首を蹴り折る。アニメでは、フリーザの尻尾を切った気円斬でさえも通用せず、クリリンを落胆させた。
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金吾はビクともせずに仰向いていました。
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守備の将兵は、能く闘った。我に数倍する田丸勢を、ひきつけてビクともせず、しばしば、夜陰に乗じて、城を出て、死闘を演じたことであった。
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だが琥珀さんはビクともせず、ふふふ、なんてイヤな含み笑いをうかべている。
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対手方に、武装改めなどしてもらう必要はなかった。わざわざ、対手方の道場に乗込んで、それをやってのける又兵衛の傲慢な振舞いは、おのが鎧が、いかなる秀れた小具足の術をもってしてもビクともせぬ自信に拠っていたからであった。悠々として着用しはじめた又兵衛を見戍る甚十郎の眼眸が、しだいに、烈しく、光を加えた。
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若しも二人が、誰憚らずに逢引をしてゐたとしたら、渦卷く呪ひの火焔車は、若い男女を載せたまゝ地獄の火の中へ眞つ逆樣に落ちて行くことでせう。中から、二度三度、激しく雨戸は搖ぶられましたが、どうしたことか、それはビクともせず、あわやと思ふ間もなく、今度は男の手で、反對側の窓の格子を、内から叩きます。と、その手に從つて、格子はバラバラにはづれ、要の取れた扇のやうに口を開くと、先づ男が一人、窓の中から飛出しました。
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疾風のごとき婦人で、通り過ぎたあとは、テーブル・クロスがまくれ上るという激しさ。おびえたハリーが、ブルドッグをけしかけると、オバサン、ビクともせず、かえって犬の方が逃げてしまう。こういうトテツもない婦人は、やはり、アメリカン・ヒューマアなのであろう。
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昌幸の任務は、この上田に、秀忠の軍をひきつけておくことであったので、城を包囲されるにまかせて、自若としていた。いかほどの大軍に攻撃されても、ビクともせぬ自信があったし、ひとたび城門をひらけば、縦横無尽に反撃する疾風の用兵策も成っていたのである。強弓から放たれる矢は、その自信を乗せて、秋の澄んだ陽ざしの中を、唸りをたてて、目に見えぬ軌道をすんぶんの狂いもなく奔っていた。
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リールを巻きあげようとしてもビクともせず、歯車がガリガリ、ガリガリと歯噛みの音をたてる。ジーッ、ジーッと鳴って糸がひきだされていく。
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突如として、九州に一揆が起り、それがただの百姓一揆ではなく、十万の大軍に攻めかかられてもビクともせぬ抵抗を示している騒動となり、その寄手に、浪人隊を加える、という高札が立てられたのである。
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あの髑髏をこの地で奪い合ったとき、ジャン=ルイはおかしな化物を使役しておれを襲わせた。バイオテクの産物だと思うが、異様にタフな外皮のせいで射っても焼いてもビクともせず、最後に口腔内へハンド・ミサイルをまとめてぶちこんで、ようやくおとなしくさせた。仕留めたと思うが自信はない。
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日本人抑留兵が建設したナヴォイ劇場は1966年4月26日のタシケント地震でもビクともせず、1996年に日本人抑留兵の功績を称えてウズベク語、日本語、英語で書かれた銘板を掲げ、日本人の功績を称えた。その際、「決して『捕虜』と書いてはいけない」と厳命したため、「極東から強制移送された数百人の日本国民」という表現になっている。
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どぶは、感服した。少年たちのうち、二人ばかりが、匕首をひき抜いたが、水干少年は、ビクともせずに、独楽投げの秘技を発揮して、一人の手から匕首を、はねとばし、もう一人の額をぶち割っておいて、さっと、群衆の中へ、姿を消してしまった。
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いくら、金があっても足りるものではない。一方、秀頼公は、十数年間にわたって、京畿の神社仏閣の建立修築に、無数の洪費を投じ乍ら、天守閣の庫中に積んだ黄金の山は、ビクともせずにのこっていた。
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