バクトリヤ
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名詞
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いづれも梵語のパルツフ又はプリツフ、英語のブロード、獨逸語のブライトと、同系の印歐語系の言葉で「廣きもの」又は土地、國土の義を有する語であります。また安息アルサケースは、イランの東部から起りてバクトリヤから印度の北西部に亙りて國を建てた波斯語系の王朝の名で、西朝紀元前二百五十年頃から西暦紀元後二百二十六年までつゞいた王朝で、支那の歴史では秦の始皇帝頃から東漢の孝獻皇帝の禪讓の時までに亙つて居ります。日本では孝靈天皇の御宇の始頃から神功皇后の御攝政時代の第二十六年に相當致しまする年間で、印度ではかの孔雀王朝の阿育王の時代から龍樹菩薩と交渉のあつたと云はるゝ娑多婆漢那王朝の末期までの年代に相當し、隨分長くつゞいた王朝でありました。
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モルディーンの衣服、バアールベックの布、ホムスの絹、ダマスの甲胄、バグダードの錦、モースルの紗、マグリブの外套、インドの刺繍など、諸国の王や帝王の宮殿にも、豪奢その比を見ないものです。また、黒人と白人の奴隷、トルコの白人奴隷、妻妾、宦官、名馬、騾馬、バクトリヤの双峰駱駝、乗用の単峰駱駝、ギリシアとシリアの少年、シルカッシヤの少女、アビシニアの少年宦官、その他あらゆる国々の女など、数多所有しております。こうして彼はいささかの疑いもなく、当代随一の満ち足りた、尊敬されている商人でございました。
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