コケッチッシュ
全て
名詞
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T氏とはまんざら知らぬ仲ではなく、夫人にも二三度逢ったことがあります。然し、それは、その時から二三年前のことで、その後のことはあまりよく知らなかったのですが、以前の夫人は社交界でも有数の美人で、可なりにヒステリックな、又、コケッチッシュな性質を有ちその操行については、よくない噂をさえ耳にしたことがありました。操行といえば夫君たるT氏も、あまり評判がよくありませんでしたが、T氏は名門の出であったためか、若手でありながら、外交官仲間には、可なり、勢力を有して居た様子であります。
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京助が、果してそういう覚悟を持って居たかどうかはわからぬが、彼の体力と金力とは敏子を満足させることが出来たと見え、二人の仲は至ってよかった。然し敏子は、持ちまえの、コケッチッシュな性質をもって、良人の友人を待遇したから、静也はいつの間にか、妙な心を起すに至ったのである。といって静也はその妙な心を、どう処置してよいかわからなかった。
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