カゲミ
全て
名詞
18 の例文
(0.00 秒)
-
Dの身体は長剣と同じ方角へ飛び、背後の石板に激突した。青白い光が全身を包み、呑み込んだ光が消えた後に、美影身の姿はなかった。ヴァルキュアは憮然たる表情を崩さず近づき、石板に突き刺さった愛刀の柄を掴んで引き抜いた。
...
-
いや、単に彼の眼の先に、人馬がいるというべきか。左手さえ呻く妖気に包まれて、美影身のどこにも緊張の色はない。「うれしいぞ」 と騎士が言った。
...
-
ヴァルキュアは何を言おうとしたのか。その想いを誰も理解し得ぬうちに、頭上を黒い美影身が飾った。死を与えるべき者の精神など、この若者は斟酌しない。
...
-
新たな三匹が降下に移った。その間を黒い美影身が地上から吹き抜けたのである。
...
-
白い騎士に斬られる自分でもなかった。青騎士の長槍を腹に受け、なおも立ち上がった美影身であった。
...
-
-
円筒はDを新たな敵と認識したらしい。男たちを追う数台を除いて、一斉に黒衣の美影身へと殺到した。オットーは眼を剥いた。
...
-
そのあとに、影身のように附添うたムクも現われては来ない。間の山の盛り場では、提灯篝の火が空を焦して、鳴り物の響きが昔ながらに盛んに響いて来るのに、自分の見たいと思う人と、聞きたいと思う声だけは、一つも現われて来ない。
...
-
汽車へ乗込むところにも七八人のものしかいない。お若が如何に逃げてまわりましても、怪しい男は始終影身にそって附いております。
...
-
扉の前で、Dはその表面に左手を当てた。見えざる伯爵の視線が、黒衣の美影身に集中する。
...
-
日本においては、鏡の持つ神秘性を、餅や酒などの供物にも込めてきた経緯があり、現代でも鏡餅や鏡開きなどの習慣にその姿を見ることが出来る。なお、鏡の語源はカゲミ、あるいはカカメであると言われている。食事は1人より誰かと一緒の方がおいしく感じるものだが、鏡に映った自分を眺めながらでもおいしく感じ、食べる量も増えるという研究結果を、名古屋大大学院情報学研究科の中田龍三郎研究員らの研究チームがまとめた。
...
-
自分はもうちっとで彼と往来で喧嘩をするところであった。彼にはこういう風に、精神病の娘さんが、影身に添って離れないので、自分はかねて母から頼まれたお重の事を彼に話す余地がなかった。お重の顔は誰が見ても、まあ十人並以上だろうと、仲の善くない自分にも思えたが、惜い事に、この大切な娘さんとは、まるで顔の型が違っていた。
...
-
その夜中彼の身辺にどのような怪異が起ったのであるか。我々は暫らく川手氏の影身に添って、世にも不思議な事の次第を観察しなければならぬ。その夜更け、川手氏は例によって床の中でふと目を覚ました。
...
-
スーを背後に庇って、黒衣の美影身は静かに声をかけた。
-
人間の生き方には何か一つの純潔と貞節の念が大切なものだ。とりわけ私のようにぐうたらな落伍者の悲しさが影身にまで泌みつくようになってしまうと、何か一つの純潔とその貞節を守らずには生きていられなくなるものだ。私はみすぼらしさが嫌いで、食べて生きているだけというような意識が何より我慢ができないので、貧乏するほど浪費する、一ヶ月の生活費を一日で使い果し、使いきれないとわざわざ人に呉れてやり、それが私の二十九日の貧乏に対する一日の復讐だった。
...
-
そのくれえのことが恐ろしくって、この裏店の差配がしていられるかい。源六は、けちな野郎でも、てえしたお方が影身についているンだ。さあ、すっぱりやってくんねえ。
...
-
この女は父の寵者であった、父のお妾であった。今日となっては、父祖以来残された財産とては何一つ身についたものはない、いや、財産だけではない、父の代から出入りの恩顧を受けたという者共が、誰ひとり寄りつきもしないのに、この女だけが、自分の影身についていてくれる。忠義でかしずいていてくれるわけでもなかろう、切っても切れない腐れ縁の一つかなにか知らないが、それにしても、広い世界に自分の身うちといっては、考えてみると、この女ばっかりだったなあ。
...
-
人間の生き方には何か一つの純潔と貞節の念が大切なものだ。とりわけ私のやうにぐうたらな落伍者の悲しさが影身にまで泌みつくやうになつてしまふと、何か一つの純潔とその貞節を守らずには生きてゐられなくなるものだ。
...