エンパイヤー・ステート・ビルディング
2 の例文
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大きな人に突き当りながら、敷石の側の下水の孔に落ち込まないように注意して、お上りさんよろしく二十丁位歩いただろう。サンフランシスコで金門橋を見、マンハッタンでエンパイヤー・ステート・ビルディングを見、ハドソン河の観光船に乗って国連の建物を見、ブルックリン・ブリッジの現代の優雅さを見て、全くスケールの違うのにど肝を抜かれたのだった。そして、知り合いのアメリカ人の絵描きの個展を大きなギャラリーで見て、自分も将来はこういう所で個展をするのだと、夢と希望に胸をふくらませていた。
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通りを歩いていると、あっちこっちにあるマンホールから湯気が温泉地のように出ているのを見て、この分厚いコンクリートの下に何があるのかしらと、恐しくて生唾を呑み込んだことだった。当時は、今のマンハッタンのように汚くはなかったが、それでも風に吹かれて、あっちこっち紙屑やビニールが走り回り、エンパイヤー・ステート・ビルディングの前も吹き溜りになって、ごみが散乱しているのに驚いた。日本のレストランはコロンビヤ大学の前に一軒と、マンハッタンの真中辺りに一軒あっただけであった。
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