イツシ
全て
名詞
2 の例文
(0.00 秒)
-
その工合がどうもをかしいので、幼童の僕がその真似をしたものであつた。仏壇の勤めなどがまだ終らぬうちに父が咳込んで来てさういふ異様な咳になると、勝手元で働く母の傍にくつついてゐながら僕がイツシ、イツシ、イツシ、イツシといふ真似をして、母から睨まれたりするけれども、母もたうとう笑つてしまふのであつた。年に一度、多くは冬を利用して人形芝居が村にかかつた。
...
-
小男で痩せた父が咳込んで来ると、少し前かがみになつて、何だかお腹の皮でも捩れるやうに咳込むのがいかにも苦しさうであつた。ところが、その苦しさうな咳が一とほり済むと、イツヘ、イツヘ、イツヘ、イツヘといふ咳が幾つか続いて、それから、イツシ、イツシ、イツシ、イツシといふ咳になる。その工合がどうもをかしいので、幼童の僕がその真似をしたものであつた。
...