やり切れません
17 の例文
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町奉行から小者即ち岡っ引に渡してくれる給料は一カ月に一分二朱というのが上の部で、悪いのになると一分ぐらいでした。いくら諸式の廉い時代でも一カ月に一分や一分二朱じゃあやり切れません。おまけに五人も十人も手先を抱えていて、その手先の給料はどこからも一文だって出るんじゃありませんから、親分の岡っ引が何とか面倒を見てやらなけりゃあならない。
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これこそ全く何よりです。この頃人工栄養でなくてはならなかったらもうやり切れません。ものがないのだもの。
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どんな辛棒強い人だって、これではとてもやり切れませんわ!
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私たちは違います。あいつは厭な奴だと、たいへん好きな癖に、わざとそう言い変えているような場合が多いので、やり切れません。思惟と言葉との間に、小さい歯車が、三つも四つもあるのです。
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このままじゃあ、気持が、もやもやしていて、やり切れません。
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実にやり切れません。
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何しろ修身の無え学校の生徒さんでゲスから油断も隙もあれあしません。コンナ手を矢鱈に使われちゃやり切れませんや。しかもソレが脛っ噛りの学生さんばっかりじゃ御座んせん。
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ノラ えゝ、まあ、辯護士なんてものは、きまつた當のない職業ですからね。ちよつとでも暗いことのある仕事はすまいとなると尚のことさうですし、主人は勿論暗いことが大嫌ひで、私だつてその主義ですから、とてもやり切れませんわ。それで今度は私ども、どんなにか喜んだでせう?
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まるで虫ケラみたいに。やり切れません。平和な日本に住んでいるあなたにはわからないでしょうね。
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あとから隊宛に品物を送ることが出来れば、もうしめたもので、それが出来る時は私がやっきになって持たせてやりたいとあせったものも不用となって目出たし目出たしのわけです。忍耐強い子だから根が切れてどうこうということはありませんが、人間の貴重で精緻な体をふっ飛ばす暴力はやり切れません。うちでは三日夜寿江子が帰り、五日午後咲枝が腕に赤ん坊を抱いて、湯上りのような顔をして帰宅しました。
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「へえ、とてもやり切れません」 与太郎はかすれた声を出した。二番役が名主に相談すると、 「いたわってやれ」 とあごをしゃくった。
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「毎日ご苦労さんですね」すると男は、急に変テコな顔になった。そしてひどくあわてた調子で、 「いやどうも、毎日のお客様で、やり切れませんよ」 そういって、同情を乞うような目つきで、伝さんの顔を見た。伝さんは、すかさずいった。
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折角お樂の口から兇賊の住所を聞出さうとして居る矢先に、こんなのに飛込まれては、全くやり切れません。
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こう若返ったところで、すうッと死ねたら、どんなに仕合せでございましょうな。何しろ、この節のような、めちゃくちゃな世の中を見せつけられて、顰めッつらをしながら死んで行くんでは、やり切れませんからな。
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一カ月前にも、バーの女の妹を、いきなり、採用しろ、といって、無茶苦茶ですよ。二度あることは、三度ある、といいますし、こんな風に、社長自らが、人事の統制を乱していくようでは、やり切れません。
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「こういう事件は、やり切れませんね」 亀井は、いらだちをおさえるように、部屋の中を、歩き廻りながら、いった。「そうだな」 と、十津川も、呟いた。
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