ますます冴え

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  • 青蚊帳を透してくる薄暗い電灯の光では、枕もとの婦人雑誌の頁を飜す気にもなれないし、それと言つてますます冴えてくる眼の遣り場に困つて、天井に映る光と影のぼんやりした模様に当てもなく眸をさ迷はせてゐるうちに、階下の柱時計が一時を打ち、そしてもう一ぺん一時半を打つのを聞いた。 神西清『水と砂』より引用
  • 目がますます冴えてくるので、水島はシャツとズボンをつけ、左腋ひだりわきの下にベレッタのホルスターを吊った。 大藪春彦『戦いの肖像』より引用
  • 平坦になった路と並んで続いている瀬が、川床の石に捻じ曲り、綾を描いて潜り合う細流に月がますます冴え耀いた。 横光利一『旅愁』より引用
  • 第三軍団を任されるようになると、その働きはますます冴え、アウステルリッツの戦いでは、常識外れの機動力で決定的な働きを見せ、アウエルシュタットの戦いでは、数において二倍以上のプロイセン王国軍を撃破する離れ業を演じる。
  • ところが、せっかくこの会へでることになっても、まずしい馬楽は、高座着もなく、芝居の衣装屋をくどいて、唐桟とうざんに黒八丈の鼠小僧の衣装を借りて出演したのだが、その苦労の甲斐あって、それからの高座もますます冴えていった。 興津要『古典落語(続)』より引用
  • 吉田精一は、「『黴』以後『爛』に前後し、『あらくれ』に至る時期の短篇は、彼の短篇作家としての技倆のますます冴えて来たことを語つてゐる」と述べている。
  • たて唄、松島三郎治さまの唄は、ますます冴えて参ります。 酒井嘉七『京鹿子娘道成寺』より引用