ほっておいたら
17 の例文
(0.00 秒)
-
たてがみを振りみだし、首をぐるぐるまわしながら走っていく乗馬のようすは、どうしても気がくるったとしか思えない。このままほっておいたら、どんな一大事が起こるかもしれないのだ。奔馬は土手づたいに寺島から須崎をぬけ、牛島のほとりまで走ったが、あたかもよし、そのときむこうからやってきたのは辰と豆六だ。
...
-
七月一日 わがままです、わがままですよ、ワーリニカさん、まったくわがままというものです!あなたをこのままほっておいたら、あなたはその頭でどんなことを考え出すか知れたものじゃありません。ああでもない、こうでもないと!
...
-
でも、キミは本当に具合が悪そうだし、ほっておいたらもっと悪くなるかもしれない。
-
このままほっておいたら、俊夫が銀座へ行って帰ってきても、同じ姿勢でいそうだった。絶対に持ち逃げする気づかいはない。
...
-
いつの間にやら、奇妙な物が増殖しているらしい。なので、ほっておいたら、あたしの足の踏み場がなくなってしまう。この場合、ツクツクさんの足場はどうでもいい。
...
-
-
イザベラ、お前は確かに私を嫌ってるかい?もしお前を半日一人でほっておいたら、また私のところにやって来て、ため息をついたり、甘い言葉をかけたりしないかね?ネリー、彼女はお前の前で私に大いに優しそうにしてもらいたかったらしいよ。
...
-
結果は大丈夫だったが、なおだるさがつづく。医者の不養生でほっておいたら、妻からガミガミ言われ、やっと肝臓の検査をした。すると、結果は半ば凶と出た。
...
-
と江美は俊夫のパンツを引っぱった。ほっておいたら何を言い出すかわからない。こんな時は田宮がいてくれるから助かる。
...
-
のんびりとこの世をくらし、白パンであろうと、黒パンであろうと、なるべく頭をつかったり骨を折ったりしないで手に入るほうを食べ、働いて一ポンドの金をかせぐよりは、むしろ一ペンスしかなくても腹を空かせているほうがよかった。もし気の向くままにほっておいたら、口笛でも吹きながら、しごく満足して一生をすごしたことだろう。しかし、彼の女房は、彼の耳もとで、のべつまくなしにがなりたてて、やれぐうたらだ、やれのんきすぎる、いまに一家が路頭に迷うようなことになる、と言って責めたのである。
...
-
あの日、雨の中、傘もささずに帰って来てから、なにひとつ片付けずにほっておいたらこうなった。カタン、と玄関ドアの郵便受けが音を立てた。
...
-
父親は綾子に直接いうわけではなかったが、母親の口を通じて、「本人が良くても悪くても、そういう事件を起せば、まわりの人達は事件を通じてしかものが判断できないのだから、綾子は自ら世間をせまくするだけだ」という意味のことをいいたいらしかった。堅物の父親から見ると、綾子のやってることはチャランポランで、あぶなっかしくて見ていられない、このままほっておいたら碌なことにはならない、早めに気心の知れた男と結婚さしてしっかり監督していかなければとでも思ったのだろう。去年からそれとなく事務所で働いている石田との結婚をほのめかすようになっていた。
...
-
しかし、時夫は麗美子をこの世の誰よりも大切に想っていた。十月で十七になったばかりの麗美子は、ほっておいたら何をしでかすかわからない少女だった。我儘で、気まぐれで、自分の周囲三十センチの価値観で生きていた。
...
-
グル・タスという名の剛胆な軍人だった。二人は、いまや完全におびえきってしまった兵士たちの間にどうにか規律らしいものを維持し、ほっておいたら溺死したはずの多数の兵士を救った。第五中隊がこの横道の入口にやってくると、カントス・カンの息子で、この中隊の士官であるジョール・カントスが私たちの仕事の仲間入りをした。
...
-
まもなく、火は消えました。そして、ほっておいたら大火事になるはずだった薪も、なかばこげて、ジュージューいっているだけになりました。でも、それで終わりにしたわけではありません。
...
-
ほっておいたら、この女どもはおまえさんのために、ソーミュールじゅうを荒らしまわることだろうよ。食事が終わったら、いっしょに庭へ出よう。
...
-
そんなことをしても、城下をうろつく人数はふえる一方。みっともないし、ほっておいたら、旅人の口から惨状が幕府に伝わり、えらいことになる。おとりつぶしだけは困る。
...