ひ尽す

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  • 代助はおのれを支ふる力を用ひつくした人の様に、又椅子に腰をおろした。 夏目漱石『それから』より引用
  • 之れ丈の事を云ひ尽すのに、何にも泣かずに云つてしまつたことが不思議のやうに思はれた。 平出修『計画』より引用
  • 先生はしばらくの間眼をつぶつてあぢはひ尽し、それからはじめて私たちに笑顔を向けました。 犬養健『亜剌比亜人エルアフイ』より引用
  • この現象についても、私は、既に云ふべきことを云ひ尽した。 岸田国士『新劇復興の兆』より引用
  • 子もあまた生みたれど、すべて夫が食ひ尽して一人此のごとく在り。 柳田国男『遠野物語』より引用
  • 念仏聖の事は言ひ尽し難いが、此から喜劇的のものが生れて来た事だけは考へてよい。 折口信夫『偶人信仰の民俗化並びに伝説化せる道』より引用
  • いくら大食共だつて、此の木虱をどうして食ひ尽せるだらう? ファーブル・ジャン・アンリ『科学の不思議』より引用
  • そしてあるものはたいがい食ひ尽して仕舞しまつたから身過ぎのため何か職業を選ばなければならなくなつた。 岡本かの子『上田秋成の晩年』より引用
  • これで、言ひたいことはほゞ云ひ尽したつもりである。 岸田国士『築地小劇場の旗挙』より引用
  • 六十の坂を越えてから他人の家へ後妻として入る迄には、老婆も色々な世間を渡って云ひ尽せない苦労の中も通って来た身だった。 金田千鶴『霜』より引用
  • 俺はそれから諸肉片を順々に焼きながら脳味噌も頬ペたも舌も鼻もすつかり食ひ尽した。 村山槐多『悪魔の舌』より引用
  • そもそも人間の品位とは、これを気品と云つてもいゝのですが、一言にしては云ひ尽しがたい複雑微妙な要素から成つてゐるものです。 岸田国士『文化とは』より引用
  • そして、その周囲まはり物懶ものうげな、動かし難い単調が再びそこをおほひ尽してしまつた。 相馬泰三『新らしき祖先』より引用
  • 今あらゆる可能性が高揚して天蓋を覆ひ尽さうとした。 原民喜『火の踵』より引用
  • けれども被告となつて見たら云ひたい丈のことを云ひたくもなるであらうし、云ひ尽した上の判決なら仮令たとへ判決が無理だと思つても諦めることが出来るであらう。 平出修『公判』より引用
  • 僕は、孤独の怕ろしさを味はひ尽してゐるのだ。 牧野信一『ベツコウ蜂』より引用
  • これは既に云ひ尽された議論であるかの如く見えますが、所謂「舞台的」といふ言葉が、もう一度吟味されてからのことです。 岸田国士『明日の劇壇へ』より引用
  • 若者は名は杜子春とししゆんといつて、元は金持の息子でしたが、今は財産をつかつくして、その日の暮しにも困る位、あはれな身分になつてゐるのです。 芥川竜之介『杜子春』より引用
  • 天才といふ言葉を発音した時、令嬢は言ひたいことを全部言ひ尽したやうな、思ひがけない満足を覚えた。 坂口安吾『傲慢な眼』より引用
  • このダシーの評にはすべてが言ひ尽されてゐる。 シェイクスピア/福田恆存訳『ロミオとジュリエット』より引用