とり殺し
全て
動詞
18 の例文
(0.01 秒)
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二人はその顔でたえず私をじっと見つめています。私はひと思いに二人を殺したのですが、二人はじりじりと私をとり殺すのです。このままじゃあすの朝までに死んでしまうか、気が狂ってしまうかです。
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たとえば、ビルマのカレン人の考えるところによると、すべてこのような人々の霊は祝福の天国に上ることもできず、それかといって呪いの地獄におちるのでもなく、目に見えないさまでいつまでもこの地上をうろつきまわっている。このような死霊は人の魂を盗みとって病気にし、ついには彼をとり殺してしまう。それでこの吸血鬼的存在に対する恐怖はたいへんなもので、なだめの供物をしたり、熱心な祈願や感嘆によってその怒りをなだめたり、あるいはその残忍な脅迫を和らげようとつとめるのである。
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彼女めが正体をあらわして飛び去るときに、憎いと思うものをとり殺していく。それはさもありげなことじゃが、なぜそれほどに衣笠どのに執念く禍いするか、それが判らぬ。
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鈴木力が不安がるのも無理はなかった。土師金鳳を倒したほどの男が、おめおめと将門にとり殺されるはずはない。今度ばかりは、将門は自身がこの世に生みだした破壊者のために討ち倒されたかもしれない!
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口さがない連中が多くてね、私の精が強くてとり殺しちまったって言うんだよ。いろいろあって、なんだか日本にいるのも嫌になって、外地に行って一旗揚げようと思った。
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私は今でもあの老紳士に対して悪い印象を持つことができない。おそらくあの人の奇妙な出現と奇妙な退場がなかったら、私は去年の秋の憂鬱にとり殺されていたかもしれない。私はあの古風な洋服と、物静かな微笑を思い浮かべ、そういう穏やかな声音で大黒屋の因業婆さんを脅迫している場面を想像すると、ひとりでにおかしさがこみあげてくる。
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正男は人間全部に対する呪いだ。あいつは今に人間をとり殺すだろう。
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即ち、宗教的に昇華された形をとっているとは言え、愛する男が船に乗って自分から遠ざかってゆく、それを見て止むに止まれず水中に身を投げる、という女の心情の切実さにおいて、善妙は「日高川草紙絵」の女と少しも変わらない。その後で、男を守護することになるか、それとも男をとり殺すことになるか、女にとっては、それは単なる結果に過ぎなかったであろう。また、善妙の「大願」による変身は女人成仏を説こうとしたものだ、という文脈で読まれることがある。
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多分ポルトガルの言葉だ。この電話にとり殺されそうだ、と奈可子は夫に打ち明けた。それは面白い、と彼は笑った。
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そう思って、自分はもう無我夢中で、もう一度この間のように城の外壁をつたって、伯爵の部屋へ忍びこんでやろうと肚をきめた。へたすると、伯爵はこのおれをとり殺すかもしれない。殺されたら殺されたで、そのほうが悪魔どもになぶられるより、かえってしあわせだ。
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このお雪だったのです!あのときわたしは、もしあの晩のことを、ひとことでも洩らしたら、あなたをとり殺してしまうと言ったでしょう。
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おい、俺はな、身動きも出来ない大病にとっつかれて寝ている間に、こういうことを誓ったのだよ。この世で貴様をやっつけることが出来なければ、死んでから怨霊になってきっと貴様をとり殺してやるということをな。何十日という間、俺は寝床の中でそればっかり考えていたぞ。
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ええ、なに、いやじゃ。もしお糸さんと夫婦になるなら、きっと、婚礼の晩にとり殺す?
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じつにくやしい。おれは、どうしてもとり殺さずにはおかねえ。くやしいから、一度に殺さねえ。
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不幸にして若死にをいたしまして、死んでからもう四年になります。わたしは妖怪にとり殺されたのですが、冥府のお役人が帳簿をお調べになったところ、わたしの寿命は八十余歳ということになっておりましたので、お役人はわたしに生き返ることをゆるしてくださいました。ところが、生き返るにはあなたのお力添えがなければいけないのです。
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これはきっと、うちで扱っている何かに宿っているんだと。若い男をとり殺す、あんな嫌らしい女の顔をしたもののけなのだから、きっと女の着物に宿っているんでしょうよと。そう言われて、わたしも思い当たる節がありました。
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生霊になって人をとり殺す嫁なんぞ、気味わるくて邸内に置いてはおけまい。