たらしゅう
30 の例文
(0.02 秒)
-
急に声がどこか別の世界に行ったらしく聞こえなくなってしまいました。そしていつか十力の金剛石は丘いっぱいに下っておりました。
...
-
小学校三、四年生だったけれど死んでしまおうかなと川に行きました。私の母は男たらしで、次から次へ父以外の男と関係していったんですね。私は彼らに何度か会ったことがあって、一度、サングラスをかけた男の車の後部座席に乗って、原宿のラフォーレに連れて行かれたことがあるんです。
...
-
おれがいないのをいいことに、おれの女を口説いてたらしいじゃないか。優雅なもんだな、ロペス。
...
-
たしは一度まわりをゆっくりと見渡してから、莚の上に座った。小袖の背をゆっくりと後ろに引くと、そのまま静かに首を前にたらした。白刃が青い空に光った。
...
-
初めのうちは照れ臭さもあって無器用な感じであったが、単にリズムに合わせて腹を左右に揺すぶるだけのことで難しいものではなく、やがてオサムやろんと同じように振ることができるようになり、じきに三昧境に入った。見物のなかに連れが腹ふりを始めた者があったらしく尋ねる者があった。「そんなことをしてなにがおもしろいのだ」 腹ふりを始めた者は腹をふりながら答えた。
...
-
-
そして性格はにはかに逆戻りをして、またもとの猜疑心の強い暴君になつて身をもだえた。父は母がもはや半ば廃人であることをさへ忘れてしまつたらしかつた。彼は看護婦を信用せず、母を寝台の下に附ききりに縛つてしまつた。
...
-
暫くすると、尻に針を持つたらしい一人の学生が衝立つて博士を呼んだ。
-
正面の勘定台に男が二人、一人は立ったまま何か読んでいる。黒い細いリボンを白シャツの胸にたらした女が大きな紙の上で計算している。勘定台の後横から狭い木はしごの一部が見えた。
...
-
僕達はお嬢さんが上って来るのを待って、一緒に上まで行った。もう誰もいない平坦地には、お父さんが水っぱなをたらして待っていた。お嬢さんはその横まで行って、「パパ、今度は下まで倒れずに行けたわよ」と、如何にもうれしそうに叫んだ。
...
-
娘が国立音大に入ったことを、会社や近所で自慢してたらしいんですよ。
-
表の騒ぎとは無縁といった顔で物乞いがボロに包まって眠っていたり、露店で売るためなのか職人たちが忙しそうに開け放たれた作業場で仕事をしていた。ホロはすぐにどこに向かっているのか察したらしく、黙ってついてくる。大通りで祭りが行われているならば、ロレンスたちが泊まっている宿からは祭りの様子がよく見えるだろう。
...
-
日々夜々諳誦しつづけた条文の一行すら思いだすことができなかった。彼は脂汗をたらして時間一杯を最後まで苦しみ、とうとう白紙を出した。そして外見だけは昂然と場外まで歩いて来て不意にばったりと倒れた。
...
-
竹の皮などで作った撚紐を渦巻状にした紙縒りを芯として、大量の紙を重ねて漆を塗った丸皿状の当て皮に当てて、滑りを良くするためにこれを竹の皮で包んで作る。滑りを良くするために椿油をたらし紙を痛めないようにすることもある。自らのほおや頭にこすりつけて摺る人もいる。
...
-
空では白鰻のやうな雲も、みんな飛んで行き、大三は汗をたらしました。まだ見つかりません。
...
-
その家の方へ、ポワロは進んで行ったが、ベルがないので、つづけざまに、ノッカーではでにドアを叩いた。しばらくしてから、鼻をたらした、ひどくきたない子供がドアをあけた。「こん晩は」と、ポワロがいった。
...
-
ほら、総務会に名をつらねてるお歴々が五人いるだろ?今度のはどうするか知らねぇが、昔はその中から選ばれてたらしいよ。
...
-
-
血をたらしたお菱の唇は動かないのに、おげ丸にはお菱の声が聞えた。
-
時田 ゐどころはわかつてるのかい。とね 川下に、また新しく湯の出るところがみつかつたらしいんですよ。今日は、そこでせうと思ひます。
...
-
オレは、精いつぱいだつたんだ。こんなムゴたらしいことをせずに、奥さんと、お別れするつもりだつた。オレのことなんか、忘れてくれ。
...
-
疵痕は三寸くらゐの長さで、幅は一寸内外であらう、勿論普通一般の疵と変りはなかつたが、宇津は興味深くそれを眺めた。かなり深い負傷であつたらしく、そこだけが五分程も低まつてゐた。
...
-
それで私も気になって見てみると、純ちゃんはずっと本を読んでたらしい。
-
怒っていても女は美人だった。朝顔形の鼻孔をした大柄な顔付きで肩までかかる黒い髪をたらしていた。女は濃緑の制服を着て、長靴をはき、革帯をしめ、柚には何かの記章のようなものがついていた。
...
-
西洋婦人といふものはなかなか隅におけないと有島氏は思つたらしかつた。
-
K町のバスの停留所には、この早いのにもう用たしをすましてきた客が二人、下りバスをまっていた。六十を二つ三つすぎたらしく見えるおじいさんと、三十前後の女客と。
...
-
疑う必要はありません。匿名の手紙が来たとすれば、あの厭味たらしい男からにきまっています。あの男ったら、六年ものあいだ、どら声を張り上げて自分がやった馬の曲乗りの話やら自分の馬鹿さ加減をさらけ出すような話やら、そればかりか自分の持っている長所を一つ残らず長々と数え立てるやらして、私を追い駈けまわしたのですよ。
...
-
束ねずにたらしたままの長い髪には光があたってうすい銀色にひかった。かつてのぞっとするような美貌は、陰うつに色あせ、おぼろな夢のようにきえかかってはいたが、今もなお名ごりをとどめていた。
...
-
着物は日本の僧侶の法衣のようなもので、花模様の置かれてある派手な黄色あるいは赤色の緞子である。そのまた帯の結び目のたらしは長く下って居るが実に異様な立派なるものです。そういう支度をした神下しが眼を閉ってジーッと中腰に構え込んで居ると、その側ではしきりにお経を読んで居るです。
...
-
それでどこか静かなところに越そうと場所を探してたらしいんです。