たみちゃん
全て
名詞
16 の例文
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モモヨの家は問屋街にあり、麩屋と蒟蒻屋にはさまれ、むかいは漬け物屋だった。蒟蒻屋の同い歳のたみちゃんとは大の仲良しで、二人でよく遊んだ。二階建ての家は一階が店、台所、座敷、便所、風呂になっていて、裏に京都や大阪から連れてきた職人さんたちが菓子を作る工場があり、二階が家族の使う部屋になっていた。
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たみちゃんはもうすこし寝かせておいて、目ぇさめたら食べさせてやりまひょ。
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二十歳になるまで、モモヨは家にいて、おさんどん以外の家事手伝いをしていた。たみちゃんも嫁ぎ、お針の塾の仲間もほとんど結婚していた。ある日、父がモモヨを呼んで、彼女の従姉の嫁ぎ先の話をした。
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今までは母がふだん着から紋つきの振袖まで縫ってくれていたが、これからは自分の着る物はすべて自分で縫わなければならないのだ。お針の塾では、たみちゃんも一緒だったので、モモヨはとてもうれしかった。学校に行ってヒステリーの先生の鞭の音を聞くよりも、近所の幼ななじみの女の子たちと共に、ちくちくと針を動かしているほうが、心がなごんだ。
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モモヨは上の学校に進学することになった。仲良しの蒟蒻屋のたみちゃんは、家業を手伝うことになったので、進学はしなかった。「モモヨちゃん、上の学校に行っても、仲良くしようね」 彼女はそういうたみちゃんと、麦わらで鳥籠を編みながら、少し悲しくなってきた。
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いったい、何をそんなに洗うもんがあるんやろな。ええか、りゅうさん、たみちゃん、キド八はんがいってたとおり、川の水はやっぱり見えへん。けどこれは、いずれにしろ、まやかしやから、ユージンを先に立ててさっと一気にわたりまひょ。
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髪結いさんもいろいろな柄の手絡を持ってきて売ってはいたが、やはり小間物屋のほうが種類が豊富にあった。たみちゃんと誘いあって、銘仙やお召に着がえて小間物屋をのぞくのが楽しみだったが、母からは、 「まだ学生なのだから、あれこれ何でも買ってはいけません」 といわれていたので、欲しい手絡やリボンも、ほとんどはあきらめざるをえなかった。今までは子供扱いされていたモモヨも、だんだん一人前の女性として扱われるようになり、母と共に、家族の着る物は全部縫うようになった。
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それよりはよう、おまえさんの手当をせんことにゃ。たみちゃん、こうなったら用心もへちまもあらへん。
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ついでに本屋さんにも寄って、雑誌や本を買ったりもした。「あの雑誌を買ったよ」 と話すと、たみちゃんやお針の塾の友だちに、 「読んだら貸してね」 と次々に予約をうけた。友だちが本を買うと、それを貸してもらうのはあたりまえだった。
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モモヨももちろん、たみちゃんと抱き合ってふるえていた。おじさんは人通りや民家があるところでは、あたりさわりのない話ばかりしているのに、みんなが気味悪がっている竹やぶにさしかかったときを見計らって、怖い話をするのだった。
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仲良しの蒟蒻屋のたみちゃんは、家業を手伝うことになったので、進学はしなかった。「モモヨちゃん、上の学校に行っても、仲良くしようね」 彼女はそういうたみちゃんと、麦わらで鳥籠を編みながら、少し悲しくなってきた。当時、男の子の学校は三校あったが、女子のための学校はたった一校しかなく、進学したい女生徒は、一時間も二時間もかけて歩いていかなければならなかった。
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けど、わしも黒森へはいってから、考えが変わってきた。ひさしぶりに山の空気をすったからかもしれんが、それより、りゅうさんやたみちゃんが、こわいこわいと思いつつ、ようがんばってきはったその姿見てるうち、わしは、ごたいそうな理屈つけて床屋にくらがえしたけど、ほんまは、あのおちつきはらったおおかみの頭がこわかったんやなということが、わかってきた。
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芸名の水前寺は故郷・熊本市の水前寺成趣園から、清子は熊本ゆかりの戦国武将・加藤清正からそれぞれ取られている。愛称の「チータ」は、小柄だった水前寺を作詞家の星野哲郎が「ちいさなたみちゃん」と呼んだことに由来する。動物のチーターとは直接の関係はないが、着物の柄などにチーターの衣裳を用いることがある。
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テレビ朝日系の公開録画番組『たみちゃん』のスタジオ見学しているところを同番組に出演していた萩本欽一に見出され、1984年に『欽ちゃんの週刊欽曜日』へレギュラー出演し、芸能界デビュー。
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モモヨは冬生まれのせいもあるかもしれないが、寒いのは大好きだった。「寒い、寒い」 と青っ洟を垂らして、おさるの裾や、絣の着物の袖口でふきとっている男の子もいたが、彼女は垂れそうな鼻水も、ぐぐっと鼻の奥深く吸い込んで、母が縫ったおさるを着て元気にたみちゃんと登校していた。冬の雪の日も、さすがに足袋ははくが下駄ばきなので、歯の間にだんだん雪がつまってきて、高下駄状態になってしまう。
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