たてて笑いだし
17 の例文
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いかに腹がたっているとはいえ、部下に命じてねどこからこの婦人をひきずり出すことはさすがに決行しかねたのです。が、いきなり、声をたてて笑いだしたと思うと、ドイツ語で命令を下しました。やがて一分隊の兵士が負傷兵をはこぶように毛ぶとんをかかえて出て行くのが見えました。
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それは主人を哀れむ心の苦痛ともとれた。わたしはそれがすっかり気に入って、つい声をたてて笑いだした。
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つまりそこには、こまかくちぎった白パンの浮いている甘い牛乳を入れた鉢が置いてあった。グレーゴルはうれしさのあまり声をたてて笑いだしそうになった。朝よりも腹のすき方がひどかったからである。
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二度目のノックが聞こえると、それが夫であることが彼女に分かったの。すると彼女は声をたてて笑いだし、夫に聞こえるようにといっそう大声で笑い続けたの。
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一同は声をたてて笑いだしたが、とりわけオブロンスキーは楽しそうに笑った。
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巽もぎょっとして良を見、手がゆるむ。良が低く、声をたてて笑いだしたのだ。良の目が、白く、ぶきみな狂気の光を放っている。
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その岩は、にわかにゆれて、ミズミズしい豪快な音をたてて笑いだした。
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ケート・ヘグシュトレームは声をたてて笑いだした。とつぜん、いかにも自由な、子供らしい笑い声になった。
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しかし、ターニャは弟の申し出をこばまないで、自分も食べていた。母の姿を見ると、ふたりはびくっとしたが、母親の顔の表情から、自分たちはいいことをしているのだとわかると、急に声をたてて笑いだした。そして、口にいっぱいパイをつめこんだまま、微笑にほころびた唇を両手でこすりはじめたので、ふたりの喜びに輝く顔は、涙とジャムですっかりべとべとになってしまった。
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ぼくは、マジェ家の警備隊員をみつめながら構えていた身の力を抜いて、棒立ちになり、大声をたてて笑いだした。
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「フランスのファシスト団体は、そういう点では実に整備されているんだな」 体をかたくするような気持できいていた伸子は、しばらくすると、小さい声をたてて笑いだした。
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「烟、テキーラ、タコ」と、彼女は言った。「タコタコタコタコ」 歌うように早口で言うと、いきなり声をたてて笑いだした。
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彼が目をみはったので、娘は彼以上に目をみはって、 「ダメよ」 と大声で叫んだが、そこにはありふれた怒気があるばかりで、むしろ彼をホッとさせたのである。娘は彼の袴姿をジロジロ見て、 「変なカッコウしてるわね」 と云ったので、彼も声をたてて笑いだしたが、そのハズミによいことに気がついた。
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だが、彼女は、彼の申し出をこばまないで、自分でもたべていた。母親を見ると、彼らは驚いたが、その顔で、自分たちの行ないのいいことであるのを見てとると、すぐ声をたてて笑いだし、甘まんじゅうをほおばった口をもぐもぐさせながら、両手で、笑っているくちびるをこすりはじめた。そして、喜びに輝く顔を、涙とジャムとですっかり台なしにしてしまった。
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彼が僧院長の食堂にあらわれたのは、ちょうどお祈りがおわって、一同が食卓へむかったときだった。彼は敷居の上に立ちどまると、一座の者をひとわたり見わたしておいて、ずうずうしくみんなの顔をじろじろ眺めながら、長い、人を食った意地悪そうな声をたてて笑いだした。
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武上法子は面白くってたまらないという様子で、今にも吹き出しそうに口元を尖らせていたが、とうとうアハハと声をたてて笑いだした。