それほど重いもの
8 の用例
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車から降りた十三人の刑事の中、若いのが六人、後ろのトランクをあけて、アルミの中型ケースを取り出した。
一つに一億円ぴったりと入っていたとしても、それはそれほど重いものではない。
といって、満更軽いものでもない。
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胡桃沢耕史『翔んでる警視正 平成篇3 キャリアウーマン』より引用
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カイルロッドに背負えると判断したことしか教えてくれなかったのは、 みじゆく なぞ 未熟な青年の心の負担を少しでも軽くするためであった。
カイルロッドに関係する謎は、 それほど重いものだった。
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冴木忍『カイルロッドの苦難 9 思い出はいつまでも』より引用
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他の子たちも、いつのまにか群れを離れてしまった子羊のことなんか気にもとめなかった。
紗耶は山内桜子の死をそれほど重いものに受けとめてはいなかった。
知り合って、日が浅く、親友というほどでもなかったし、正直いって、桜子ちゃんのことはあまり好きじゃなかった。
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今邑彩『赤いベベ着せよ…』より引用
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君にかけられた罪状は、それほど重いものだ。
その自覚がないわけではなかろうね?
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秋田禎信『エンジェル・ハウリング 第04巻』より引用
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悪の中のそれほど重いもの、親指大ほどの悪が、他方の秤皿に盛り上げられた大量の悪でない物の重さをしのぐものは何であろう!
このように天びんで帳尻を合わせる勘定のしかたはピンチョン判事の同類者たちが好んで用いるやり方なのである。
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ホーソン/鈴木武雄訳『七破風の屋敷』より引用
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と述べさせ、その後も度々見舞の使者をつかわしたり、大膳の主治医である鷹取長松庵にくわしく容態をたずねたりした。
ところが、どうも大膳の容態はそれほど重いものではないらしく、忠之には感ぜられた。
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海音寺潮五郎『列藩騒動録(一)』より引用
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勘之介は、半ば、気を失いかけている。
刀の傷は、それほど重いものではなかったが、左の太股を手槍で突き刺されてい、このほうの出血がひどかった。
傷の手当をしながらも、小川宗哲が駆けつけて来るまでの時間は、小兵衛にとって、ひどく長いものに感じられた。
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池波正太郎『剣客商売 16 浮沈』より引用
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好子とほとんど同じ時期に、やはり交通事故で入院してきたある老婦人は、見るからに品のいい穏やかな人で、隣同士のベッドになると、好子はすぐにこの人が好きになった。
老婦人の怪我は右肩の骨折で、それほど重いものでもなかったが、それでも入院したばかりのころは痛みにうめき、眠れない夜を、同じように眠れずに冷や汗を流し唸っている好子と、共に慰め合って過ごしたものだった。
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宮部みゆき『模倣犯 上』より引用