その重々しい

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  • 二人は其処で十五分位だまつてその重々しい大荒れの有様を見てゐました。 ファーブル・ジャン・アンリ『科学の不思議』より引用
  • その重々しい声の男がどこに座っているのか、まな美にも見えた。 西風隆介『神の系譜Ⅴ 竜の時間 亡国』より引用
  • その重々しい塀の一つの角に、もっと重々しい一つの門が厳然として立っていた。 ポー・エドガー・アラン『ウィリアム・ウィルスン』より引用
  • その重々しい声を、虎千代は眼をつむって聞いていた。 咲村観『上杉謙信天の巻』より引用
  • その重々しい態度が、男女には、なにかうす気味わるいものに思われるのだった。 鮎川哲也『りら荘事件』より引用
  • 彼は私を気にもとめずに、その重々しい歩みを続けた。 ポー/安引宏・佐々木直次郎訳『黒猫・黄金虫』より引用
  • 病いがその重々しい腕を彼女のからだの上に横たえて、かくまってあった八百ドルの金のことをジョージに語りたいと思った彼女の計画をも台なしにしてしまったその夕べ、彼女は床の中から起き上るとなかば部屋の中を歩いて行き、そうして死に向って、せめてもう一時間の間だけ生きのびさせてくれるようにと嘆願するのだった。 アンダスン/山屋三郎訳『ワインズバーグ・オハイオ』より引用
  • その重々しい表面はゆるぎもなく、昼間は太陽の光を吸いこみ、夜分は街燈の光をはね返していた。 豊島与志雄『溺るるもの』より引用
  • その重々しい顔は暗く、怒っていた。 ハメット/村上啓夫訳『デイン家の呪い』より引用
  • 二人はまったく身動きもせず立っていたが、間もなく列車はその重々しい鋼鉄の車体をゆすって、動き出した。 クイーン/田村隆一訳『Xの悲劇』より引用
  • この俳優は、今まったく新しい役を演じているにもかかわらず、その重々しい足取りや、円い肩のあたりを見ていると、前の場面で見たボーイ頭の姿勢や動作がおのずから目にうかんでくる。 ルブラン/保篠龍緒訳『八点鐘』より引用
  • 家の中には、秀子の息吹きが、その重々しい蛸の木が、頑として根を張ってるように思われた。 豊島与志雄『理想の女』より引用
  • 提督はその重々しい人柄によって、人の好い若いシャルルの心をすっかりとらえてしまったのである。 澁澤龍彦『世界悪女物語』より引用
  • そしてしばらく、彼はその重々しい不動の姿に、あきらめの表情を帯びさせようとしてもじもじした。 コンラッド/蕗沢忠枝訳『ロード・ジム(上)』より引用
  • そして、その重々しい青さの中に入道雲がたくましく育っていて、誰もいない焼跡の雑草の中から、ことし十三になった少年が、さっきから空をみあげていた。 半村良『炎の陰画』より引用
  • その重々しい屋敷からぷーんとおいしい匂いが漂ってくる。 嵐山光三郎『おとこくらべ .txt』より引用
  • 人はその重々しいぬくみを好み、その薄明かりを好み、重苦しい頭の中に積もってる夢を好む。 ロラン・ロマン『ジャン・クリストフ』より引用
  • 白水がその重々しい論調で、肋骨ろっこつの間から、心臓を目がけて、きりでも刺すように話していると、相手の後明は、最初はいやに横柄おうへいぶって、虚勢を張っていたんだが、しまいには、おそろしくなったらしいんだ。 葉山嘉樹『海に生くる人々』より引用
  • 中年の男、とリンダがとっさに思ったのだって、その重々しい声としゃべり方の具合によったので、少なくとも姿かたちからは、その男の素顔、素性をおもてにうかがい知らせるべき何ものも、ありはしなかったのだ。 栗本薫『グイン・サーガ 001 豹頭の仮面』より引用
  • 火薬式のライフルは、その重々しい銃声が、たやすく雪崩を引き起こす恐れがある。 菊地秀行『吸血鬼ハンター10b D-双影の騎士2』より引用