その生々しい

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  • さすがの鉄光も唖然あぜんとしてその生々なまなましい日付の上に眼を釘付くぎづけにされた。 横溝正史『殺人暦』より引用
  • 酒井軍はその生々しい松平伊忠の首を見て進撃を一時中止した。 新田次郎『武田勝頼(二)』より引用
  • こんな時に限って眠っていたはずの心の古傷が、その生々しい傷痕きずあとを開いたりする。 藤原正彦『若き数学者のアメリカ』より引用
  • その生々しい描写と個性的なテキストには固定ファンも多い。
  • この細道が工事か何かのためにごく最近作られたというのが、その生々しい地層の断面からわかる。 篠田節子『レクイエム』より引用
  • その生々しい姿と、全然対蹠的なのがマダム丘子であった。 蘭郁二郎『蝱の囁き』より引用
  • プリンスが相当にどろどろとした暗い青春期を送って来たであろうことはその生々しい声から察せられる。 松浦理英子『優しい去勢のために』より引用
  • 残念なことに、時がつにつれてその生々しい記憶は薄れつつあるが、歴史は残りつづける。 今野敏『宇宙海兵隊ギガース4』より引用
  • その生々しい傷跡は直接的に表現される事が多く、名前は現代に於いて差別用語・放送禁止用語に指定されている「びっこ」から取られている。
  • 何とかしてその重さをはねのけようとする欲求、その生々しい力、そのようなものを互にもっていることがわかりあって、その力をも合わせ集めるつもりで若い一組が結びつくことができたら、現在の農村の生活の中ではすでに大きいプラスの意味をもつことであると思う。 宮本百合子『若き世代への恋愛論』より引用
  • その生々しい記憶は、なつかしいとも恐ろしいとも、まだ混沌こんとんとしているが、しかしただそれだけで、銀四郎はあまり強烈な感慨なくして通りすぎた。 山田風太郎『忍法落花抄』より引用
  • 焼野ヶ原の、その生々しい焼け跡のそここゝに、寄せ集めの材料でバラツクが建てられ、もう着のみ着のまゝの生活が始められてゐるのをみると、私の胸はひとりでに熱くなつた。 岸田国士『其日、其日の気持』より引用
  • たまに撮影に同行しても、モデルさんがカメラマンの指示に従って足を開くと、現場慣れしていないものだから、本当はその生々しい姿を目に焼きつけたいのに、つい目をそらしてうつむいてしまうのが常だった。 永沢光雄『風俗の人たち』より引用
  • 明暗をひっくるめてその関係の生きて動きつつあるそのものを、よりひろいより大きい時間と空間との中に再現したとき、人間は常に進歩を欲しているものだがまた常にそれは矛盾におかれている、その生々しい人間真実の悲喜をうつしたとき、文学精神の明るさも、いうに甲斐ある透った明るさとなって爽やかに輝くわけだろう。 宮本百合子『文学は常に具体的』より引用
  • 人間のこのうえない不正義に接して、その生々しい印象の下に、儂はこれを書きのこすが、若い頃、儂は僧界で名を揚げ、天晴れ名智識となる青雲の志を抱いたことがある。 バルザック/小西茂也訳『風流滑稽譚(第二輯)』より引用
  • その生々しい肌色に、千枝子は無心に眼を据えていたが、突然、その眼を大きく見開き、透き通るほどに頬を緊張さして、人形を見つめた。 豊島与志雄『波多野邸』より引用
  • 私は先ず、その生々しい肉塊の中から、神経を採り、血管を採り出して、神経と神経と、血管と血管とを、克明に接続するのであった。 佐左木俊郎『三稜鏡』より引用
  • 沖仲士の哲学者として有名なエリック・ホッファーも長くホーボーのような生活をしていて、彼の『エリック・ホッファー自伝』にはその生々しい実態が率直に語られている。
  • コナンがもう一撃する前に、その巨大でしなやかなとぐろは、彼の胴から離れ落ち、怪物は、その生々しい傷口から血を吹き出したまま、体を引きずって床を横切っていった。 R・E・ハワード『風雲児コナン』より引用