その周囲
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玄関から居間と台所が見通せる。
居間には炬燵が置かれてあり、その周囲に様々なものが置かれてあった。
その大半がゴミにしか見えなかった。
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牧野修『スイート・リトル・ベイビー』より引用
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彼等は、この広い天地に、曾て、自分を虐遇したとはいえ、少年時代を其処に送った郷土程、懐かしいものを漂浪の間に見出さなかった事である。
少年時代とその周囲即ち自然にも、人間にも特別のものがなくてはならぬ。
こゝに童話文学の発生がある所以だ。
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小川未明『彼等流浪す』より引用
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駅は神戸研究学園都市の中心に位置する。
駅前に商業施設とバスターミナルがあり、その周囲に住宅・学校がある。
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それのみではない。
その周囲の万般の状況も同一にならなくてはならないと云ふのである。
それを読んで、一寸の間は気が楽になつたやうであつたが、間もなく恐ろしい苦痛を感じて来た。
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森林太郎『笑』より引用
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それのみではない。
その周囲の万般の状況も同一にならなくてはならないと云うのである。
それを読んで、ちょっとの間は気が楽になったようであったが、間もなく恐ろしい苦痛を感じて来た。
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森鴎外訳『諸国物語(下)』より引用
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彼女とその周囲に、これこそほんとうだと誓えるようなものは何もない。
それが良は好きだった。
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栗本薫『真夜中の天使4』より引用
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この国は非常に人口が多くて、五十一の大都市と百近くの町や村落があります。
国王の宮殿の建物は不規則に並んでいて、その周囲は七マイルあります。
グラムダルクリッチと私には馬車が許されたので、これに乗って、市内見物に出たり、店屋に行ったものです。
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原民喜『ガリバー旅行記』より引用
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私は三体のロボットに導かれ、EMPシールドに取り囲まれた広場へとたどり着いた。
広場の中心には小さな炎が燃えており、その周囲に十五人の何者かがいた。
私は検索ロボットとともに、シールドの陰から様子をうかがった。
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秋山瑞人『おれはミサイル(前・後篇)』より引用
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見つめているうちに、その光は次第にうるんだ母の眼の輝きに似て来た。
そして母の顔全体が、いつの間にかその周囲にはっきりとあらわれた。
お浜の顔がおりおりそれにかさなった。
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下村湖人『次郎物語』より引用
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まさかそのときには、私の信頼する人物を、その周囲に付き添わせます。
アレクサンドル・デュマ/石川登志夫訳『鉄仮面(上)』より引用
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山西は堂の裏手の方へ走ったが、そこにも小女の姿は見えなかった。
彼はまた噴水の処へ戻って来てその周囲を走るように探して歩いた。
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田中貢太郎『水魔』より引用
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という壮絶な音が五〇〇メートル離れたオリアナから響いた。
彼女を中心として、円を描くようにその周囲の空気が掩絆されたのだ。
目に見えない巨大なハンマーが、その遠距離を無視するように襲いかかってきた。
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鎌池和馬『とある魔術の禁書目録 第10巻』より引用
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その目は焦点が定まらず、知性もまったく感じられなかったので、最初は盲人だと思った。
部屋の真ん中には一つのテーブルがあり、その周囲に五脚の椅子があった。
そのうち三つは大人用のものに見えた。
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ウルフ/岡部宏之訳『新しい太陽の書3』より引用
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身体には大量の汗が噴き出し、夏だというのにうっすらと湯気が立ちこめている。
その周囲には彼女の糞や尿が散乱していて、異様さを感じる光景だった。
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平坂読『ホーンテッド! 3』より引用
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他の一つは三国時代の袁紹の部将の顔良を祀ったもので、これもその由来は想像しかねるが、土地の者が祷るとすこぶる霊験があるというので、甚だ信仰されている。
それがために、その周囲十五里のあいだには関帝廟を置くことを許さない。
顔良は関羽に殺されたからである。
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岡本綺堂『中国怪奇小説集』より引用
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こんな護符に頼らなければならない自分が嘆かわしい。
彼が超常現象だと決めたものは、けっしてその周囲では現れないのだ。
体験自体をなかったことにしてしまうのだから、何もないと言い切るのも当然だろう。
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新田一実『魔鏡の姫神 霊感探偵倶楽部』より引用
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中央には細長いテーブルがあり、その周囲にパイプ椅子が置かれている。
部屋の奥にはロッカーがあり、その前には段ボール箱が積んである。
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今野敏『心霊特捜』より引用
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高台の闇を照らすパトライトの光を見たときは学校全体がすでに包囲されているのかと思ったが、実際には正門前にパトカーが一台停まっているだけだった。
その周囲に警官らしき人影が動いていたが、正確な人数はよくわからない。
踵を返す、保健室の明かりを消すのは止めた。
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秋山瑞人『イリヤの空、UFOの夏 その4』より引用
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まず世界という存在が初めからあって、その上でその存在の内部に吾々が初めて位置を占めていると云うのではない。
却って吾々の存在そのものが初めてその周囲に世界を有つのであった。
このような世界は特に人間的存在に固有な規定でなければならない。
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戸坂潤『科学方法論』より引用
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対岸に徳川方先鋒中村氏次の陣幕の紋所が見える位置まで近づいていた。
しかしその周囲は葦が深く、都合良く敵兵から気づかれていなかった。
五町ほどの距離で左近は兵を止めた。
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茶屋二郎『遠く永い夢(下)-関ヶ原 戦勢逆転の真実-』より引用