その前途

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  • その前途の不安を胸に持って、彼は兄が別れを告げて行った後まで長いこと廊下のところに立ちつくした。 島崎藤村『新生』より引用
  • またその前途への不安も、女としては当然、大きかったのである。 南里征典『成城官能夫人』より引用
  • 彼女が涙の多い六年の月日を送った後で進んで遠い旅に出ようとするその前途を見まもるばかりに成った。 島崎藤村『新生』より引用
  • われわれはみんな勇躍、その前途におおいに期するものがあったわけである。 ヘディン/長尾宏也訳『シルクロード』より引用
  • 私は彼の幾つかの不思議な詩魂に充ちた作品を傑作として認めされ、その前途に関しては満腔の期待を寄せざるを得なかつた。 牧野信一『創作生活にて』より引用
  • その強さは、政治の最終的な結論である、自分たちの暮らし向きとその前途に対する、もはや恐怖だと言っていいほどの不安感の反映だ。 片岡義男『日本語の外へ(上)』より引用
  • 私共は現在歩いているその道をよく見詰なければならず、それと同時に自分の行くその前途をもよく見極めなくてはなりません。 宮本百合子『今日の女流作家と時代との交渉を論ず』より引用
  • 政党やプロの政治家としての議員たち、そして彼らによる政治あるいは政府の運営のされかた、そしてそれらの最終的な結論である自分たちの暮らし向きとその前途に関して、いまのアメリカの人たちのあいだには、攻撃的な批判や不信の念がきわめて強く存在している。 片岡義男『日本語の外へ(上)』より引用
  • あれがえらいところだったと思うのは、少々困った者がいてもそれを見棄みすてず、その前途を気にかけていた。 竹山道雄『ビルマの竪琴』より引用
  • またその前途ゆくてに、道の両側にしゃがんで待ったらしいのが、ぽんと二個ふたつ立つと、六個むたりも揃って一列になりました。 泉鏡花『河伯令嬢』より引用
  • 彼は奥平貞能さだよし菅沼定盈さだみつ等の案内役を呼んでその前途を問うた。 新田次郎『武田勝頼(二)』より引用
  • そのおかげである小さい大学の数学教授のいすをかち得たし、どこから見てもその前途ぜんとはじつに洋々たるものがあった。 ドイル『最後の事件』より引用
  • 宮廷に近づく人間は、もし幸福ならばその幸福を失いかねないし、いずれにしても一人の侍女の策謀によってその前途を決定される、と。 スタンダール/大久保和郎訳『パルムの僧院(下)』より引用
  • 歌はめきめきと上達しはじめ、晩年の西行もその前途を期待したし、家隆のようなよい友達もできた。 風巻景次郎『中世の文学伝統』より引用
  • 何しろ彼女は詩人としてもランボウの詩を幾つかもじってみた位のところであるが、それを玄竜が二三流の雑誌に担ぎ上げて彼女の美貌と共にその前途をうたったのだ。 金史良『天馬』より引用
  • いやもう選んだのだが、その前途にあるものといえば、氷また氷、ブリザードの中の酷寒と孤独のみである。 植村直己『エベレストを越えて』より引用
  • 人間というものが、昔から、その幸福を求め、どんなにして生きて来たかということをおはなしして、それから今日私どもが幸福に生きるために、明日幸福に生きるために、どういうふうな問題がその前途にあるかということを、簡単におはなしして参りたいと思います。 宮本百合子『幸福について』より引用
  • しかも、開発を担当したモスクワ熱光学研究所は潜水艦搭載弾道ミサイルの開発経験が無く、その前途は多難なものが予想できた。
  • 秀吉の、六歳のわが子に対する愛着と、その前途への憂慮は、一見異常とも思えた。 三浦綾子『細川ガラシャ夫人』より引用
  • この支部図書館がいよいよ出来上る時、過半数の人々はまことにその前途を危ぶんだのである。 中井正一『機構への挑戦』より引用
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