しか残つてゐ

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  • この家は幼い彼の印象には、重くよどみこんだ闇の巣としてしか残つてゐない。 ...
  • 鼠がやつてきたらしい、庵主自身食べるものは此頃は塩だけしか残つてゐないのに。
  • 青年に代つて、彼女の僅かしか残つてゐぬかも知れぬ良心を恥かしめてやる必要があるのだ! ...
  • ほんの電報を打つたりする位ゐの金しか残つてゐなかつた。 ...
  • もともと第四幕第一場は三三四行あり、それがこの削除のため、殆ど前半しか残つてゐない。
  • それだのに、僅かしか残つてゐない歯の中から、またその目ぼしい一本が、抜け落ちるやうに、兄がゐなくなる。 ...
  • 学校には、もう二年生と一年生しか残つてゐません。 ...
  • ほんのもう、痕跡しか残つてゐない血が、夫人の心を可なり、脅かしたやうにも思はれた。 ...
  • 日本を離れたのが前の年の七月末日であるから、約半年かゝつて目的地に足を踏み入れたわけだが、その時、懐中わづかに十六フランしか残つてゐなかつたことを覚えてゐる。 ...
  • そして解釈の線をかう決めれば、華奢きやしやな感じは顔にも姿にもほのかにしか残つてゐない代りにどこかの男の丹精でよくれた四十女が、少女のやうにあえかなものとして心に迫つて来る。 ...
  • 教室は大体三分の一しか残つてゐないな。 ...
  • 私は二人ともよく知つてゐましたが、岩野氏は生前すでに一家を成してゐた人だけに、交際も広く友人知己も多かつたのに比べて、平尾氏のはうは、どちらかといふと人間が陰気で、引つ込み思案で、おまけに名前も売り出さないうちに亡くなつたので、今では知つてゐる人も僅かしか残つてゐません。 ...
  • 吾妻養狐場には、もう狐は牡牝二頭しか残つてゐない。 ...
  • 紫蘇の紫にそれ程の趣好と用意とはなささうで、ことによつたら造化の絵具皿に紫の色しか残つてゐなかつた時の創造かも知れませんが、それにしても、色も香も紫づくめに塗りくつた放胆な意匠は季が季だけに充分の効果が見えます。 ...
  • 門を出る頃には、もう弟子の誰彼に追ひつかれて、うはぱりは滅茶々々にたくられ、若者の手には片袖一つしか残つてゐなかつた。 ...
  • 煙草もなくなつた、石油も乏しい、木炭も僅かしか残つてゐない、其中庵非常時風景、いや、むしろ、平常時風景! ...