この奈落

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  • 世界中が私もろとも呑みこまれてしまうように思えるこの奈落の縁から、子供をつれて遠く遠く逃げてしまうのだ。 アレクサンドル・デュマ/泉田武二訳『モンテ・クリスト伯(5)』より引用
  • 朝次に逢えるとしたら、ここ、この奈落ならく以外には考えられない。 皆川博子『旅芝居殺人事件』より引用
  • この奈落ならくの底に達し、そこで目撃した光景を地上に知らせるまでは「死ぬ」ことは許されなかった。 荒俣宏『帝都物語5』より引用
  • それから後しばらく、二人は黙々としてこの奈落ならくのような舗道のやみのなかを突き進んでいった。 横溝正史『花髑髏』より引用
  • 真正面の約十キロ先には、この奈落に水が満たされたとき、沖縄バイオームになる予定の山があった。 ジョン・ヴァーリイ『バービーはなぜ殺される』より引用
  • この奈落に呑み込まれる前に、なにか考えなければ。 福井晴敏『機動戦士ガンダムUC 04 パラオ攻略戦』より引用
  • そこでミラディーは、全精力を集めて、投げこまれたこの奈落ならくの底までさしこんできた唯一の太陽の光であるフェルトンの名を、心の奥底でつぶやいていた。 アレクサンドル・デュマ/江口清訳『三銃士(下)』より引用
  • その扉は、この陰惨な居場所から誰かを呼び出すためか、社会のるつぼから放り出された新たなかすをこの奈落の底に吐き出すために開くのである。 アレクサンドル・デュマ/泉田武二訳『モンテ・クリスト伯(5)』より引用
  • この奈落をだいぶ長い時間おちて来た今となってみると、さっきまで、いよいよ深海だとばかりに、感激して観察していたこの海溝の尾根などは、まったく水面にいるのと等しいくらいだ。 ドイル/斎藤伯好訳『マラコット海淵』より引用
  • 儂はこの奈落ならくの中に突き落とされた。 小野不由美『十二国記 05 東の海神 西の滄海』より引用
  • なにしろ、われわれの持つ照明灯の光では、この奈落の陰気なやみを通すことは、とうていできないのだ。 ドイル/斎藤伯好訳『マラコット海淵』より引用
  • それで、この奈落に足を踏み入れた。 神永学『コンダクター』より引用
  • ことにこの奈落までは暖房装置がいきとどきかねたと見えて、コンクリートの床から這いのぼる冷気が、徹や多美子の血を凍らせた。 横溝正史『吸血蛾』より引用
  • 彼らは、さきほど、この奈落ならくへ降りて来た同じいまわしい道をたどって、人々の群がまわりを飛びかい、口笛を吹き、かくれひそんでいる中を歩いて、次第に奈落をぬけ出し、とうとう通りの境まで来ると、ダービー巡査に手さげランプを返す。 ディケンズ/青木雄造・小池滋訳『荒涼館(2)』より引用