こせつ
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名詞
18 の例文
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眼だけがシュメール人のようにまるかった。だが、こうした古拙味の彫刻ばかりに気をとられていられなかった。福光は次の礼拝堂へと進んだ。
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無論、これは史実ではないが、最初期の文字の痕跡もウルク期のウルクから発見されている。ウルクで発見された古拙的な絵文字は、その後の楔形文字の原型となった。前例のないウルクの成長は、地理的要因によって支えられていた。
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エジプトヒエログリフのうち、発見されている最古の文字資料は紀元前3100年から3000年ころの先王朝時代末期のものである。エジプトヒエログリフでは、古拙期の文字資料というものがほとんど発見されていない。あたかも、整備された文字体系が突然出現したかのようである。
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鈴木智子の事件に現れたバベルの塔の絵を調べるためであった。郵便ポストに入っていたパンフレットの表紙、あれは古拙な絵だった。おそらくルネサンス以前の絵だろう。
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左脚を踏み下げ、右手を頬に当てて思惟の想を示すポーズはこの種半跏思惟像の通例であるが、右手の掌を正面に向ける点が珍しい。表情からは飛鳥時代の仏像にみられた「古拙の微笑」が消えている。
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また渋味は、自然界にあっては不熟の味である場合が多いが、精神界にあってはしばしば円熟した趣味である。広義の擬古主義が蒼古的様式の古拙性を尊ぶ理由もそこにある。渋味に関して、正、反、合の形式をとって弁証法が行われているとも考えられる。
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演出曲目は成る可く古曲をと布望したが、舞臺が完全でない上に、小道具や衣裳や人形の頭など特殊なものを要求する關係から目ざした「國性爺」は見られず、先づ吉例「夷舞はし」と「三番叟」から始めて、華やかな「太閤記」尼ヶ崎の段、すすけた「恨鮫鞘」鰻谷の段、古風な「河原達引」堀川の段稽古場の五番が演ぜられた。然しその演技は豫想した程古拙でもなくまた土の匂ひも淡かつた。演出後吉田氏や來合せた土地の古老から操の由來に就いていろいろ質問して見たが、吉井太郎氏その他に依つて既に發表されてゐること以外には餘り多くの新説は聞き得なかつた。
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それから、その夏軽井沢へ往ったときは漸く宿望の蓄音機をもっていけたので、私の好きなショパンの「前奏曲」やセザアル・フランクの「ソナタ」なんぞの間にときどきその二枚の小さなレコオドをかけては、とうとうこれがあいつの形見になってしまったのかと思うようになった。私はその二つの曲の中では、ドビュッシイの近代的な歌よりも、寧ろイタリアの古拙な聖歌の方を好んだ。それらのゴブラン織のような合唱の中を、風のように去来する可憐なボオイ・ソプラノはなんとも云えず美しいものだった。
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しどろもどろである。訳文の古拙なせいばかりでも無いと思う。
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雪の夜に〝クークー〟といって鳴くのもみやびやかで、はんなりしている。そして、それをさしておっとりとおおらかにわらえば、古拙の笑いということになるか。
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大同の石仏にもこれと同じ面相があるので、その淵源がわかる。この面相は、その仏像全体のぎごちない技術とともに「古拙の笑い」と言われている。同じ止利様式としては、この金堂のもの以外、夢殿にある観世音菩薩像と、ひどくいたんでいるが安居院の釈迦如来像、いわゆる飛鳥大仏とがある。
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そこからは眼下に吉野川をあいだにした肥沃な平野がながめわたされるのはいいとして、神社の建物がコンクリートになっているのなど、何とも味気ない感じがした。わずかに、傾斜地をたいらな台地の境内にするため組まれた石塁に古拙なそれがみられるだけだった。しかしながら、この神社はもと「『延喜式神名帳』にしるされた忌部大社」であることにちがいはなく、かつては広大な神殿や拝殿を構えて、そこにそびえたっていたはずであった。
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もし、彫刻家新井大助が宅間添子の死顔からデスマスクを取って、それを自分の作品のように仕立てたとすれば、彫刻が示している微笑は死顔に残っていたことになる。つまり、窒息死した女は、その面上に「古拙の笑い」を永遠に浮べていたのである。ここにおいて博士は、奈良から法隆寺へ行く途中で読んだアメリカの犯罪学雑誌の報告例を再び思い出さざるを得なかった。
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博士を変な気持にさせたのは、その仰月形の唇にある。いや、正確には、その「古拙の笑い」が、たったいま電車の中で読んできたアメリカの犯罪学雑誌の記事と二重焼きになっているからだった。もちろん、アメリカの犯罪学雑誌は、ミス・コーラミヤがどのような表情の微笑をしていたかは伝えていない。
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西方の中島村へつうじる道を二キロゆくと、低い凝灰岩の丘陵に泉崎横穴装飾古墳がある。玄室の側壁・天井に、狩猟をモチーフとする古拙な朱色の絵画がえがかれている。被葬者とおもわれる、弓をひきしぼってはしる獲物をねらう騎馬人物や、男女の群像、馬のむれ、そのほか渦巻文や珠文などがかすかにみえる。
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博士は、それを先ほどから「古拙の笑い」に結んでいるのだが、その硬さは死後硬直と似通っていないこともなかった。
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此程古拙なものは、他には見当らない。呼応法の古い形式を、充分に残してゐる。
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