こがたな
全て
名詞
18 の例文
(0.00 秒)
-
どうせ書見には身が入りそうもなかった。小刀を一本だけ帯びて部屋を出ると、茶の間から客の声が聞こえて来た。客は母方の親戚で上原という家の妻女のようである。
...
-
浅羽屋という家です。きっとあの小刀をあの晩わたしに売ったことをまだおぼえているでしょう。もうこの他に申し上げることはありません。
...
-
口から洩れようとした叫びを彼は押し殺した。ジョンは自分の短刀の刃で、土から突き出して動いている小刀をよけた。しかしその小刀を握っている手を彼はつかんだ。
...
-
そして彼は仕事の上に身を屈めていた。ついに彼は使っていた道具を靴を作る小刀ととりかえることになった。小刀は娘が立っている方の側と反対の側にあった。
...
-
小さい草は冬の土を割って出てくるから根は強い。慈念の小さい指の力ではとれないから、竹でつくった小刀を慈念は使う。小刀を地面にさし入れて、拇指で草をおさえ、根切りしながら、一本ずつ抜いていくのである。
...
-
-
「何者が、持去ったかっ」 磯貝竜次郎は裸にされて了ったのだ。小刀だけは残っても武士の魂たる大刀をまで、何者にか奪われたのだ。「まあ、私をお助け下さる為に、旦那様に此御難儀を掛けまして、申訳が御座りませぬ」と小虎まで蒼く成った。
...
-
気さくで、妻女の代りに魚屋や八百屋へも買物に出る。そうしたときの柳喜十郎は、小刀すら腰に帯びていないのが常であった。それでも、門人が二十余名いる。
...
-
ところで、上段の構えの場合、大刀が攻防の主位を取っているため、小刀は、大刀の活路を邪魔しない位置ならば、どこに置いてもよいわけであるが、もし小刀を中段に置いたとせんか、小刀の防禦力は増すが、心気の上では大刀の活力が減殺されるおそれがある。小刀を中段に置くのは、一流の芸者としては絶対にとらぬところである。小刀は、常に、大刀の活動を補佐するように、構えも動きも扈従させていなければならぬ。
...
-
町の刃物工場を参観する。少数民族の人たちが腰に吊り下げている小刀を造っているところである。大抵の人たちがこれを手ばなさないで持っており、瓜などを切るにも、これを使っている。
...
-
しかし腕の立つ山崎は提灯を切られただけで怪我はなかった。切られた提灯を探していると、犯人が小刀を落としている事に気付いた。隊に帰り、小刀を無くしたものを探すとそれは田代の物だった。
...
-
そしてザワザワと葉擦れの音がして、血にまみれた手が見えると、その手が葦の茎をつかみ、やがて一人の男がゆっくりと岸に這いあがってきた。旅の商人のようななりをしているが、その手に小刀を持っていた。黒い小袖はズタズタに裂けて、全身が朱に染まっている。
...
-
老人は携えている小さな包みを開いて、革の容器を出した。それには、短い刃に長い柄のついた細い小刀が一組はいっていた。彼は、毛髪のように鋭く細い一本をとり出した。
...
-
それから十日ほどして、平内太兵衛が、ふらりと、鐘ヶ淵の隠宅へ、秋山小兵衛を訪ねて来た。太兵衛は、いつもの帷子一枚を着たのみで、腰には小刀一つ帯びていない。
...
-
それは大分から運んで来たものだった。机の縁は小刀で傷だらけになっていて、机の表面にも傷跡がたくさんあった。よく見ると、 「正シク生キヨウ」 という文字が見えた。
...
-
もう一つの傷はそれを送るために自分でつけたというのか。いやそれ以前に遺産でもないあの小刀で、どうしてそんなまねができる?光城の中に得体の知れない恐怖が、ふつふつとわいてくる。
...
-
荒政は、「なにをいうか、犯人はさっき逃げていったよ」といって二人にちかづいて行った。だが、この時、荒政は自身の右手にクリ小刀を持っているのに気づいた。クリ小刀は娘探しのために用意していたものだ。
...
-
私はあの老総督のすばらしい頭脳に到底かなわないよ!小刀が軸から出た後、螺旋が内壁に沿って伸びているのを見ただろう。たとえ軸をのぞきこんだとしても、私はそれに気づかなかったろう。
...