ぐるぐる廻る
44 の例文
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お数珠といったって、まるで鎖のように長いのよ。それを輪にして、一人一人がそれを手で支えて、そしてぐるぐる廻るの。
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俺はお前から離れたとしても、この庭をぐるぐる廻っているだけだ。俺はいつでも、お前の寝ている寝台から綱をつけられていて、その綱の画く円周の中で廻っているより仕方がない。
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彼は境内の入口にある老松の幹に手をついて辛うじて身体を支えていた。空も塀も寺の屋根も役人たちも、彼の眼の前をぐるぐる廻るように思われた。彼には単なる告訴人が奉行所に投げ文をしたとは考えられなかった。
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低い方の道路には、海の方にずっと鉄柵がついていて、そこを港の海をながめ乍ら歩いて来ると、弁天橋の手前の所で同じようにくるりと半円形に上の道路に続く。それでこの港の斜面の遊歩道路は円環状にぐるぐる廻っているという訳だ。所で僕はその低い方の道路を歩いていた。
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まっ暗闇だったので出口がどこなのか見つからない。ぐるぐる廻ってもどると彼ら同士のお行儀のよいものの言い方を聞いた。まず若者は僕に味方しているようでもあった。
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するとそこに私たちと同じくらいの男の子がいたのは驚異だった。その家にはよく磨かれた広い廻り廊下があって、私たちはぐるぐる廻った。上品なおばさんがいて、飴玉をくれた。
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あの七つの星も、北極星のまわりを、いつもぐるぐる廻っているのじゃ。一時間もたつと、それがよくわかる。
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それでも生れ付が非常な癇性なので、よほど苦しくないと決して凝としていなかった。何か用を拵えて狭い家の中を始終ぐるぐる廻って歩かないと承知しなかった。
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任務も地味である。海の上をぐるぐる廻って敵潜水艦を探すなどということは真平御免であった。
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ある一組がやって来た。一座の追走にまき込まれて、ぐるぐる廻りながら嵐のように進んで来た。娘のほうは蒼白いひ弱い顔とやせた高すぎる肩とを持っている。
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そして、全身飴のごとく、そのままそこへ、へばりついてしまう。今までは、血管の中を、氷の塊りが、溶けながらぐるぐる廻っていたのだ。それが、こうしていると、その着物や手足は油汗をかいているとしか思えない。
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それは陰気くさい趣味をもって装飾された一種の円形の戸棚ともいうべきもので、大きな提燈のような形をし、中央の一本の軸で僅かに床の上に安定しているにすぎない。まるでその戸棚がぐるぐる廻るべく運命づけられていたかのように。そして死肉のような色をした老人の風貌を持つ等身大の二つの神が、彼らのいる場所をほとんど完全にふさいでいるこの円い邪魔な物体に気をくばりながら、それぞれの台座の上に坐っている。
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要するに私が勝手に忖度すれば、俺は中央画壇から離れ、田舎で何やらやっているが、当節の幕府の絵師なぞには何んにもわかってはいないのだぞ、という意味合いがある。大宋国をぐるぐる廻ってみたが、これはという画師にも会わなかった。設色破墨の法に、やや得る処もあったが、大した事ではない。
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そしてある室の入口に控えていた同じような制服の役人に傍聴券を差し出して、それでもういいのかと思っていると、まだ必要な手続が完了していなかったと見えてそこへはいる事を許されない。それで再びまた同じ階段を下りて、方角のわからぬ廊下をぐるぐる廻って行った。階段も廊下もがらんとして寒かった。
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この千早館のまわりをぐるぐる廻っているうちに、ふとそれに気がついたのです。春部さん、これはいよいよ油断がなりませんよ。
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どれだけ眠ったか、飛行機の爆音がするので、二人は目が覚めた。気をつけていると、飛行機は、ゴンドラの周囲をぐるぐる廻っているらしい。ときどき、ゴンドラの縁と気球との間に、飛行機のような形が見えるのだけれど、二人とも視力がよわっていて、はっきり見えない。
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そして彼女全体につき纏っているある重々しい感じ、それは、大きな麦の穂が風を受けて、重そうに、僅かに傾いている感じだったが、それが彼にめまいを起させた。彼はぐるぐる廻りながら街を進んで行くようで、すべてが彼とともに廻っているのだった。電車に並んで席を取って、クララはその重い肩を彼にもたせ掛け、彼はクララの手を握った。
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