かからなかったろう
17 の例文
(0.00 秒)
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昭和はまだひとけただった。私の家から山王下まで小学生の足で十分とはかからなかったろう。けれど二十分ぐらいかかると思っていた。
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時間を誤ったか。あと一時間早く出歩けば、こんな手間はかからなかったろうに。ずるずると歩く。
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橇の近くまで疾走して囲むと、まだ死ねないで苦しんでいる者たちの首筋に向って、一発、一発、止めを射ちこんでいった。その間、わずか一分とかからなかったろう。固い根雪の大地に、流れる血がしみこみ、赤いまま凍りついていく。
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それを受けて、日下君がすぐ喫茶店に呼びに来た。あの店は、四谷署の隣りだから五分とかからなかったろう。私と君が駈け戻った。
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一分もかからなかったろう。しかし、受話器を戻すとき、塚原の手は小刻みに震えていた。
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と連続して赤い断末魔の光が放たれ、まるで鮮血の如く飛び散った。三人の前衛が消滅するのに、十秒もかからなかったろう。気を取り直したように再びリーダーの指示が飛び、メイジ集団がスペル詠唱を始めた。
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と連続して赤い断末魔の光が疾り、悪魔の口と拳からまるで鮮血のごとく飛び散った。三人の前衛が消滅するのに、五秒もかからなかったろう。気を取り直したように再びリーダーの指示が飛び、メイジ集団がスペル詠唱を始めた。
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マリオは、管理人が浴室を調べている間に、バッグ類をロープでくくり、グエンの部屋の窓から二階の自分のベランダに吊り下ろしたに違いない。ものの三十秒とはかからなかったろう。やがて、グエンの浴室内部の故障ではないとわかってくる。
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水平のセットを垂直に見せる映画の特殊撮影のように、驚嘆すべき速度で岩山を征服していった。中腹にかかるまで三十分とかからなかったろう。
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その手際もスピードも、さすがにプロ、やらせればうまいものだ。格闘だってキリコビッチなら十秒とかからなかったろうに、おれが苦戟している間は黙って、呑気に見物していただけだった。
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丹波大介が〝かまたさま〟の前へあらわれるのに、二刻はかからなかったろう。八十郎と大介の出入りに、屋敷のものはまったく気づいていない。
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寒くて、しきりに胴ぶるいがこみ上げて来る。小屋を出て奉行の話を聞き、大手門前に引き返すまで、せいぜい小半時ほどしかかからなかったろうと思われるのに、三ノ丸の雪の広場の光景は一変していた。日は本丸の森のはずれに沈みかけているとみえて、さっき雪の原を覆っていた日射しは、二ノ丸の石垣の上にほんのわずかな明るさを残すだけとなり、広場はうす青いたそがれいろに包まれはじめていた。
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マリアが悲鳴を上げなかったのは、驚きと、波みたいにそびえ立った床の表面が、蛇のように彼女の胴体を締めつけ、息もできなかったからである。窒息まで二秒とかからなかったろう。救いの手は一秒ジャストで、銀蛇の胴を二つに裂く光の一撃となって現われた。
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小兵衛は、提灯も持たず一気に駆けつけた。十五分とかからなかったろう。
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井崎が山間の小駅に佇っている瑛子を認めてから、その前に自動車がとまるまでの時間は非常に短いものだった。三十秒もかからなかったろう。井崎が、まっさきに感じたのは、こういうところにいてはいけない女だということだった。
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遠くで雷鳴が聞こえた。紅い花びらが色褪せ、萎たれるまで、三秒とかからなかったろう。ジュークの手には、刃渡り三〇センチ以上もある鋼の剣が握られていた。
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