あほ面
全て
名詞
18 の例文
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黒江たちのときは脚を見せず、一緒に見物しませんか、と声をかけてきたそうだ。おれは立ち止まり、はじめて女の脚を見る、といった阿呆面をつくった。女はにっと笑った。
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ギャラリーから、どよめきが起きた。後ろを見ると、数人の男たちが阿呆面をして、こちらを眺めていた。その姿が、社長室に雁首を並べていた連中の姿にだぶった。
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いま鏡を見たら生涯でベスト3に入るほどのアホ面を観察することができるだろう。しかし、わざわざ鏡を用意する必要はなかった。
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良兼は居間の方へ足をめぐらしたが、その道すがら徐々に胸がたぎり立ち、居ても立ってもいられないほどにはずかしくなった。とりわけ、阿呆面して下人共に声をかけた自分に我慢出来なかった。覚えず、からだのどこかに激しい疼痛でもある人のように、声に出してうめいた。
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鉢合わせしたのは偶然だが、俺のことを嗅ぎ回っているのは知ってたよ。あんたの阿呆面を拝んでから、二時半に分倍河原の駅前で彼女と会った。
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俺が最初の一撃をかわせたのはほとんど僥倖だ。その証拠に俺は無様に尻餅をついて、しかもアホ面で朝倉の姿を見上げている。マウントポジションを取られたら逃げようがない。
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秀聡の向かいに無表情で正座をする。頬の傷には迫力があって、一見恐ろしい感じを受ける男なのだが、よく見ると気の抜けた阿呆面である。秀聡は、河合を見もせずに自分の膝のあたりに目を落としてじっとしている。
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抜けていた気を入れ直す。優等生がいつまでもアホ面をしているわけにはいかない。しゃきしゃきした足取りで、友美はごみ捨て場に向かった。
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古エンジンの、どもりがちな唸り。あそこで阿呆面をしたのがクライスラーを見てるぜ。やつがズボンのポケットに金を入れてるかどうか、探ってみな。
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フランソワが目を凝らすと、花のように笑っていたのはべリンダだった。なんなの、フランソワ、中途半端に口あけて、その阿呆面ったらないわ。あんた、今の自分を鏡に映してごらんなさい。
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病み重つて行く、あの子供たちを前に置くと、或はまた、土地から直かに生え出して来たやうな子供達を、空から突然降つて来た天使のやうな女の子を前に置くと、どうにも大人といふものの間抜けたしやつ面ばかりが明瞭になつて来るといつたところで、僕にはいささかの皮肉もないのだ。といふのは、嘘のないところ、僕自身の阿呆面が見えるのだ。さういふ僕自身を見る時の、なんと空々しいことか。
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あの阿呆面の巨乳女と何かあったんだろう。息子の家庭教師にちょっかいでも出したんだろう。
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友也の嫁も小生意気で人を小馬鹿にしくさってるし、絵里子の夫も甲斐性なしの抜け作で、だいたいアタシの夫がああだったからしょうがない。コウまでこんな阿呆面の商売女みたいなのとくっつくなんて、これは何かの因果じゃないのか。女は鏡と向きあったまま、ブラウスの襟をなおしたりベルトをいじくったりしている。
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二本差して懐手、ソックリ返った烏がな。まず権兵衛殿、阿呆面にクソでもひっかけられねえ用心でもしなよ、へへへ。
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いかにも自分は阿呆面だと指摘されているようでいたたまれず、ビンだけではなく次兄も、できのいい兄には悩まされたらしい。
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今するべきはアホ面ぶら下げて事態をじっと眺めるこったよ。連中は馬鹿みたいに跳ね回る。
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だが、今だけ、蒼儀は比呂緒の傷を塞がないといけないと思った。何が理由でこの馬鹿がエーテルを流しているかは知らないが、あほ面下げてへらへらしている昨日知り合ったばかりの自分と同年代の馬鹿な女の子を、このまま死なせてはいけないと思った。しかし、その蒼儀の思いはすぐに無意味なものへと変わる。
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